2017年12月 8日 (金)

職人技

先月宿泊した京都のホテルのラウンジには、Finn Juhl フィン・ユール のチェアが置かれていた。デンマークのモダンデザインの先駆であると同時に、このシリーズは職人技の粋を集めた木工芸作品でもある。なので、これは確か100万円近くするはずだ。

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彼の作品は、コペンハーゲンのミュージアムにも地元巨匠の一人として多くの展示があったので( 過去の関連記事 )、その時の写真を掘り返してみた。これもシンプルながら、曲面だらけの豊かな造形をしている。

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ペリカンチェアは有名だけど( 過去の関連記事 )、その流れを引き継いだかのようなカワいいソファ。

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このソファも美しかった。こういった包み込むような造形は、彼の得意とするところだったのだろう。

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2017年12月 4日 (月)

try again

デンマークのデザイン事務所から頂いたキャンバスのトートバッグには、Screw up. Learn. Try again. と書いてあった。なるほど、失敗はOK、むしろ失敗を繰り返さないと成長はないというメッセージ。うん、勇気をもらえた気がする。Try again!

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2017年11月29日 (水)

空間構成

隙の無い空間構成は、コルビュジェの真骨頂。こちらはロシェ邸( 過去の関連記事 )で見たディテイルだけど、シンプルがゆえにバランスに妥協を許さない感じがひしひしと伝わる。結果、部屋のどこから何を見ても均整がとれていて、美しい。

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それはサヴォア邸のディテイルも同じで( 過去の関連記事 )、壁の彩色や採光という一段高まった表現レベルも武器につけながら、質の高い空間構成を実現している。

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備え付けた家具もまた超シンプルで、空間を乱さない。コルビュジェの作品に接する度にいつも感じるのだけど、90年近く前の建築とは全く思えない。

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2017年11月24日 (金)

イズム

このネオンアートのメッセージは、「なんとかイズム」とひとくくりにされることに対する批判なのだろうか。アーティストが作品を発表するということは、即ち世の批判にさらされるという運命にあるのだろう。どんなに頑張って新しいスタイルをクリエイトしたとしても大雑把に他人の作品と同じグループにカテゴライズされてしまうというのは、アーティストにとっては苦痛なのかもしれない。

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2017年11月20日 (月)

smart

東京モーターショーに出ていた smart ( 過去の関連記事 )のコンセプトは、自動運転なのでハンドルどころかブレーキもアクセルも無い。EVだし丸っこいし、デザインも家電の感覚に近くなったようだ。エアインテイクが不要になって間がもたなくなったのだろうか、フロントグリルには絵文字やメッセージが表示される余計な機能を搭載している。

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座席はいわゆるベンチシートのツーシーターで、仲良し同士でなければ乗れないアベックシートのようだ。ドアもガラスで、まさに電子レンジのノリに感じる。チン!

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ちなみに親会社のメルセデスのEVのコンセプトはこんな感じで、まあエレガントだ。それでもやっぱり光の装飾に凝りたいようで、こちらのフロントグリルは運転モードによって光り方が変化するとのこと。( 過去の関連記事

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2017年11月15日 (水)

装飾

機能優先であろう道具類を模様で装飾するというのは、どういう意味があったのだろうか( 過去の関連記事 )。フランスの博物館で見つけた手前の道具が気になって、そこに書かれた説明をあとで調べてみると、どうやら葉巻の端を切ったりする道具のようだ。なるほど、生活する環境で身近に置いて使うものであれば、装飾したくなるのもわかる気がする。

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建築を考えてみると、何かを模した模様や装飾的な様式に長い間支配されてきたスタイルが、バウハウスのミースやコルビュジェたちによって破壊されてモダンなスタイルに至ったのは、つい最近のことだ( 過去の関連記事 )。インテリアデザインも同様に、かつては壁画や壁紙、レリーフやこて絵などで覆われていて、何もない「間」を見つけることが困難なほど室内は装飾にあふれていた。そう考えると、彼らの建築が世に出た時のインパクトはさぞかし強烈だったにちがいない。

実はモダンなプロダクトデザインが生まれたのも、そういった建築やインテリアの脱装飾的な流れの上にあって、つい最近のことだった。決して工業製品の大量生産に適した合理化といった必然の結果だけではない文化的文脈が、そこにはあるはずだ。

そういう視点でこれをみるとどうか?ペンチなどの工具のように見えるけども、もしかしてツメ切りなのかな?唐草の生命力を借りた破断力の表現なのかもしれない。この文脈のまま現代のデザインが継続していたらと想像すると、ちょっと怖いけれども興味深い。更には縄文から弥生にかけて起きたであろう変革が無く、それが現代まで継続していたことさえ夢想してみたくなる、そんな秋の夜長である。

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2017年11月10日 (金)

難民

ここ数年で、中東から数百万人もの難民が欧州に押し寄せる事態になってしまった。しかもあっという間に。その対応の違いからEU各国の溝を深めてしまっていることは報道にあるとおりだ。

そして、地中海を決死の覚悟で渡ってきた難民たちが実際に身に着けていたライフジャケットを素材としたインスタレーションが、横浜美術館のファサードを覆っていた。これは中国の、今では社会派アーティストと呼んでもいいだろう Ai Weiwei によるもの。

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これを身に着けた人は家も財産を失い、場合によっては家族をも失い、決死の渡航に高額の報酬をブローカーに搾取され、命かながら逃げて欧州にたどり着いている。それぞれ今、どこでどんな生活をしているのだろうか。

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そこで使われたゴムボートも、丹下建築のファサードに容赦なく並んでいる。その後ろにそびえ立つ墓石とも揶揄されたランドマークタワーの無機質なデザインと、この命のシンボルとなった赤いゴムボートとのアイロニカルなコントラストも、アイウエィウエィの狙ったところなのだろうか。

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2017年11月 6日 (月)

Substance

イタリアのMAGIS マジス社( 過去の関連記事 )から出されているシンプルなチェアは、そのシリーズ名もズバリ Substance(実体)、そしてデザインしたのは深澤直人だ。最近、彼の作風は超シンプルでスーパーノーマルな路線が激しくなってきたと感じる。( もうひとつのブログから

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展示会に置かれたチェアの裏側には深澤直人のサインがあった。直筆だろうか。

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イームズと同じように、シートと脚部は組み合わせることができるようだ。こちらは革張りのシートに木の脚というナチュラルな組み合わせ。

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アームチェアのシートもあるけれど、これはまさにイームズっぽい。( 過去の関連記事 ) もちろんカタチはずっとモダンで優しいけれど。

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2017年11月 1日 (水)

ノーベル

今年もストックホルムでノーベル賞の発表があったが、残念ながら日本人の受賞は無かった。それでもカズオ・イシグロの文学賞受賞は話題になったし、個人的にもうれしかった。近く授賞式があるので、彼のスピーチが楽しみだ。

ノーベル賞は、ご存知の通りダイナマイトを発明したノーベルが、巨万の富を得たことを揶揄され死の商人呼ばわりされたことから悩んだ結果、遺産を人類に貢献した人に分配するという主旨の遺言を残したことから始まっている。そんなノーベルのミュージアムに行ってきたという方から、紅茶のお土産を頂いた。

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この紅茶とノーベルにどういう関係が?と思ったら解説に、仕事で世界各地を飛び回っていたということで、その滞在先のテイストをブレンドした茶葉であるとのことだった。なるほど、その手があったか、いろいろ考えるなあ。

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2017年10月27日 (金)

ハロウィン

10月31日はハロウィン。もともと古代ローマ時代のケルトの呪術的風習がベースになっていると聞く。秋の収穫を祝い、悪霊を退散させて一年を締めくくる。素敵じゃないですか。欧州では今でもひっそりとした風習として残っている反面、アメリカで大衆イベント化したのが、今の日本に入ってきていると推測される。

前は都内でもそんな騒ぎは無かったけれど、最近では商業的キャンペーンやイベントが異常に増殖してきて、さながらハロウィーン祭りの様相となっている。特にハロウィン当日に街中で仮装して気が狂ったかのように騒ぐ若造たちは、処罰の対象にしてもらいたいものだと心から願っている。何が彼らをそうさせるのか。もしかして悪霊?

さすがに騒ぐだけ騒いだ後のゴミの山をギルティに感じたのだろうか、後始末のアイディアをひねり出したようだ。カボチャが積んであるイメージから想起したのにちがいない。これはイイね。ゴミが無い方がもっといいけど。

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2017年10月23日 (月)

ローランサン

マリー・ローランサンと言えば、グレーにピンクといったパステル調のかわいい作品が想起されるが、そんなイメージどおりの絵と数年前、絵画はあまり置いていないはずのパリ装飾芸術美術館( 過去の関連記事 )の一画で、ポツンと壁に掛けられているのに遭遇した。その時の一枚がこれだ。

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若い頃に見に行った蓼科高原のマリー・ローランサン美術館がいつの間にか閉館になっていて、今年の夏に赤坂のニューオータニ内で再開された。実は先日、たまたま近くの会社で所用があったので、毎度のごとく閉館間際に駆け込んだ。それでふと、この絵のことを思い出したわけだ。

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あまり彼女の生い立ちを知らなかったのだけど、赤坂の美術館の解説によるとパリでブラックやピカソ( 過去の関連記事 )らアーティスト達との親交の中で画家のキャリアをスタートしている。詩人アポリネールとも恋仲だったとの記述もあった。しかしその後、ドイツ人と結婚した頃に運悪く一次大戦が始まって、フランスにいられなくなって亡命生活となってしまった時期の作品は実に暗く、まるで別人の作風だった。戦後に離婚してパリに戻った頃から、時代の風潮もあったのだろう、彼女のカワイイ作風が炸裂している。そして老年に至るまでずっと、そのスタイルで作品を制作し続けた。

同世代の東郷青児もそうなのだけど、見方によっては作風がイラスト調、悪く言えば大衆的で、世間のアートの評価軸とは少し異なる世界に感じられる。これは、おそらく彼女の作品が高く評価されてこなかった理由のひとつなのかもしれないし、逆にカワイイものが好きな日本人に受け容れられやすかったのかもしれない。現にこの美術館は、ローランサンのコレクションでは世界最大だそうだ。

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2017年10月18日 (水)

フランスかぶれ

虎屋( もうひとつのブログから )は日本を代表するブランド、なので海外展開も当たり前。パリ店もバブル以前からあるそうで、そのリニューアルに合わせてキャンペーンを昨年打っていた。それが日本に逆輸入、ということで女性デザイナーによる優しいグラフィック展開がこちら。新商品の羊羹は、その名も「エッフェル塔の夕暮れ」。

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虎屋と言えば、喫茶の虎屋菓寮、そのカフェ版 TORAYA CAFÉ に加えて、最近 TORAYA CAFÉ AN STAND という「あん」押しのカフェを開いている。決してフランスかぶれというわけではなく、西洋化する我々のライフスタイルに合わせた和菓子店の虎視眈々とした戦略なのだろう。そのビジュアルはコレで、かの仲條正義さまによるもので、Tの字や虎が「あん」的にとろけているのがカワイイ。

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2017年10月13日 (金)

ランチボックス

アメリカで見つけたこれは、ランチボックスかと思いきやシガーのパッケージだ。籐を編んだバスケットを模しているということは、元々そういう素材のパッケージだったのだろうか?

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そしてこれは女性用シガーということなのか、ハンドバッグを模しているようだ。

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おお、これはカッコいい。コレクターが多いのもうなずける。

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緑ガメ?いやウミガメということで、もしかすると葉巻の産地であるキューバをイメージしたのかもしれない。

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そうそう、やっぱりランチボックスはこれね。使用後のシガーの空き缶では、子供にはあまりにもタバコ臭いと問題になったのかもしれない。( 過去の関連記事

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2017年10月 9日 (月)

大工道具

ドイツの伝統的な木組みを再現した展示が、神戸の竹中大工道具館にあった。この複雑な形状は、どうやら単なる装飾的な意味合いだけではないようだ。( 過去の関連記事

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それを作るための古い大工道具たちも、すぐ横に展示してあった。( もうひとつのブログから

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鉋(カンナ)はこんな感じ。中央のものは、ミュンヘンの蚤の市で入手したものと似ている。( 過去の関連記事

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昔の鋸(ノコギリ)は糸鋸(イトノコ)のような形だったようで、張力によるテンションによって刃の長さを確保しているようだ。

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こちらはロンドンだけど、地下鉄のCharing Cross駅にはその土地のストーリーが描かれていて、そこには似たスタイルの鋸が登場している。

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2017年10月 4日 (水)

スツール

これは照明か、それともスツールか。どうやらテラスなど屋外に置く家具のようだ。座面の裏にLEDが仕組んであって、直接光源が目に入らないのに加え、ワイヤーの影を床に広げる効果もうまく計算されている。( 過去の関連記事

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2017年9月29日 (金)

カッパー

カッパーの質感に、無神経に塗られたペンキ。ありふれた風景、そして振り返ることのない日常。

この写真は見る人が見れば、ああ!とわかるはず。そう、ロンドンの地下鉄の階段だ。銅というよりは黄銅(真鍮)なのだろう、そしてハッチングの溝が滑り止めとして掘り込まれている。よく見るとネジ止めで交換できるようになっているので、もしかすると擦り減りや破損の度に交換しているのかもしれない。( 過去の関連記事

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2017年9月25日 (月)

ピルケース

ドイツ語で曜日が書いてあるこれは、毎日の薬の飲み忘れが無いようにとの配慮をしたピルケースで、壁にも固定できるようになっている。古いものらしく、金属のプレスでできているところが逆にカッコいい。欧州では粉薬というものがほぼ無くタブレット中心なので( 過去の関連記事 )、こういうものが成り立つのかもしれない。

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2017年9月20日 (水)

時間売り

時間を売っていたら、あなたは買いますか?どんな時間だと買いますか?どのくらいの時間を買いますか?いったいいくらだと買いますか?

何年か前、パリの蚤の市にて。

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2017年9月15日 (金)

公開制作

ギャラリーの一室がそのままアート作品になっているこれは、教室をモチーフにしたのだろうか、あるいは教育に対する何らかのメッセージなのか。壁一面が黒板になっている。

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そしてアーティストはこちらの方。

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そう、来場者が自由に参加でき、その変化していく様が作品そのものなのだ。参加型アートと言うよりは、公開制作に感覚が近い。何年か前、ポンピドゥーセンターにて。( 過去の関連記事

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2017年9月11日 (月)

LEXON

LEXONは、自らデザイナーでもある René Adda ルネ・アダによってフランスで立ち上がったブランド。グローバル展開しているので、おしゃれな雑貨屋さんや文具店などで目にしたことがある方も多いと思う。彼は大御所から若手まで数十人ものデザイナーとのネットワークを築いて、ビジュアル的にキャッチーなデザイン雑貨をプロデュースしている。ちょっとブームが去った感があるけれど、今でもコツコツ新作を発表していて、こちらは日本人デザイナー小林幹也によるもの。

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これはラジオ付きワイヤレスBluetoothスピーカーということで、よく見ると(よく見ないとわからない)スイッチが仕組まれている。カッコいいから良し、とするコンセプトも嫌いじゃない。操作頻度もあるけれど、ともあれ操作性より審美性にプライオリティを置くユーザーも少なくない時代だから。

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