2019年1月23日 (水)

ミッフィー

うさこちゃん、ことミッフィーの巨大な照明。作者のディック・ブルーナーは近年亡くなられたが、Wikiによると地元オランダのデ・スティルの影響を受けた作家だったとの記載があり、少し驚いた。確かにモンドリアンの晩年の作品と比較すると、シンプルな構成と太い輪郭、そして限られた色数と強い色調という特徴は共通かもしれない( 過去の関連記事 )。キャラクターにしてはロングライフなのも、このあたりに秘訣があるのだろう。

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2019年1月18日 (金)

フランス民藝

フランスのアンティークショップや博物館などで、古道具に混ざってこういった備前焼のような陶器に出くわすことがある。日常使いなのだろう、飾り気が無くて実用に徹している。まさに民藝的だ。

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こちらの壺たちもまた、味わい深い。同じくフランスで見たものだけど、いったいどれくらい古いものなのだろうか。

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こちらは大きな水瓶で、二人で運ぶことを考えたのだろうか、ハンドルが四つも付いている。中にはご丁寧に、縦向きと横向きのハンドルを両方つけたものもあるのがわかる。

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2019年1月14日 (月)

若手発掘

このチェア、まるで機内用の空気で膨らませるネックレストのようだ。シートが未処理な感じなのは、その対比を強調したかったのだろうか。まさか気が回らなかったなんてことは無いだろうけど、座り心地なんて主題ではないという態度がむしろ潔いとも言える。これは昨秋、都内で Young Swedish Design 2018 の一環として来日、展示されていたもの。いいなあ、若いって。

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2019年1月 9日 (水)

構成的立体

Julian Wild というUKの彫刻家の作品が、高層ビルの裏庭にひっそりと置かれているのを見つけた。彼の作品は以前、ロンドンでも見たことがあるけれど( 過去の関連記事 )、仮組み的というか刹那的というか、どこか完成に至るまでの過程のような構成的立体( structural sculpture )が多い。ある意味、デ・スティル( 過去の関連記事 )に通ずるものを感じる。

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遠目で感じる立体感は近くに寄ると自然と消滅し、むしろその素材の質感や構成の面白さに関心が吸い寄せられる。なるほどパブリックアートとして、とても良くできている作品だ。

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2019年1月 1日 (火)

戌から亥

戌年から亥年へ。ということで、犬に噛みつかれる猪の図。おそらく狩猟のシーンを描いたものだろうけど、ドッグイヤーこと戌年に急かされて渋々その重い腰を上げて動き出した亥年と見立てれば、まあ今年のスタートとして使えるかなと。

ちなみにこれはローマ時代のモザイクで、フランスのコンデ美術館( 過去の関連記事 )の床にあったもの。大理石の色味も美しく、しかもかなり細かい細工だったけれど、いったいどこから移設(あるいは略奪)されてきたものなのだろうか。

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2018年12月26日 (水)

猫脚

都内のとあるショールームで、猫脚のバスタブを見つけた。かなりマニアックなスタイルだけど、これをカワイイ!と感じるのも、まあ理解できる。がしかし、これを置く浴室ってどんな環境なのだろうか、いまひとつ想像できない。それにしても右側のミニチュアのカワイイこと。もしかして子供用?まさかのペット用?それとも単に飾り物?

こういった装飾的な脚って欧州のアンティーク家具 (過去の関連記事 )なんかにもよく見られるけれど、どうして猫脚って言うのだろう?と思って調べてみると、英語では Cabriole leg と言うそうだ。そう、車のコンバーチブルを指すカブリオーレと同じ。そしてその語源は、フランス語でヤギがジャンプすることだそうだ。猫、家具、車、ヤギ。うーん、それぞれのイメージが結びつかない。。。

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2018年12月21日 (金)

降誕祭

ドイツで良く見かけるクリスマス・ピラミッドは、街角に建てられる大掛かりなもの( 過去の関連記事 )が産業革命の頃に炭鉱町で建てられ始めたのが最初だそうなので、歴史はそんなには古くないようだ。今では蝋燭の対流で回る卓上の飾り物を、デパートなんかでもよく目にする。

そしてイエス降誕のシーンはクリスマスの定番( 過去の関連記事 )で、そのクリスマス・ピラミッドでくるくる回る飾りの重要なモチーフになっている。

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一方このシーズンになると、街角にも特設の祠(ほこら)的な小屋が建って生誕シーンの像が置かれることがある。ミュンヘン時代に見たものは、下の写真のように南ドイツっぽい木彫の像だった。

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2018年12月17日 (月)

クリスマスツリー

Fröhliche Weihnachten すなはちメリークリスマスと書かれたドイツのクリスマスカード。モコモコに着ぶくれした女の子が、小さなツリーを持っている( 過去の関連記事 )。これはアンティークの復刻版なのでオリジナルが古いせいもあるけれど、かわいいモチーフながら「ちゃらちゃらした感」が無いのが南ドイツっぽい。

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一方、このツリーの置物はミュンヘン時代に Kafer (懐かしい!)で買ったもの。こちらもかわいいモチーフがあるものの、シルバーなので落ち着いた雰囲気だ。よく見ると、ちゃんと枝にクックロビン( 過去の関連記事 )がとまっているのがわかる。

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2018年12月12日 (水)

ルーベンス

「王の画家にして画家の王」という 安っぽい コピーで今、都内でルーベンス展をやっている。そういやアントワープの大聖堂でルーベンス見たなあ、と思って写真を発掘してみた。そう、日本では40年以上前にアニメ化された「フランダースの犬」で知られている教会だ。ちなみに原作は英国の児童文学で、欧州ではあまり知られていないそうだ。

大聖堂は大きく、アントワープ旧市街ではランドマークになっていた。フランダース地方において最も高い塔、とのことだ。ゴシック芸術の見本のような細工に包まれていて、二次大戦をはじめとした多くの戦禍を乗り越えてきたとは思えない姿だ。

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堂内は広く、意外と明るかった。いかにもゴシックな様式の天井だ。遠くに聖母マリアを祭る中央祭壇が見えているが、ここはアントワープの守護聖人であるマリアを祭る聖母教会のルーツを持っている。

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ネロとパトラッシュが力尽きる前に見たルーベンスの「キリストの降架」は、祭壇中央ではなく、その右側にある専用の台に置かれている。かなり大きく、そしてかなり暗い。丁番で開閉できる三連の祭壇画になっているけれど、逆にこれはいつ閉めるんだろう。まさかアニメのようにお金を払った人だけに開けて見せていたなんてことはないと思うのだが。ちなみに反対の祭壇左側には同じくルーベンス作の「キリスト昇架」があって、それはもともと別の教会にあったものだそうだ。

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うねる、うねる。バロックっぽいダイナミックな構図だ。そしてさすがはルーベンス、人体の描画や表情の表現が異様なほど上手い。それにしても十字架から降ろされるイエスの生気を失った体が、痛々しくてとても見てられない。もちろん宗教観もあるのだろうけれど、私なら死ぬ前に見る絵として選ばないな。

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2018年12月 7日 (金)

ZU

この写真は、ドイツのメッサーシュミット社( 過去の関連記事 )による二次大戦時の戦闘機で、生産量が歴史上一番多い戦闘機という記録を持つそうだ。操作部の何か所かにドイツ語で「ZU」と書かれているが、これは「ここまで」という意味で、ちゃんとここまで閉めろというサイン。こういった几帳面なディテイルがまたドイツっぽく感じる。

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2018年12月 3日 (月)

メッセージ

こちらはオルデンバーグという、北欧出身で米国に移住したモダンアーティストの作品。この黒い彫刻は、実はFRP樹脂に塗装仕上げという、言わばハリボテであると聞いてがっかりしたが、モダンアートたるものその程度の裏切りは必要なのかもしれない。

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ちなみにこれは「Q」の字を上下反転したものだそうだが、なるほどそう聞いて見直すと、張りを失ったブヨブヨした物体に見えてくるから不思議だ。いったい何を訴えようとしているのだろうか?

オルデンバーグと言えば、東京ビッグサイト( もうひとつのブログから )の正面にあるシンボル的な巨大モニュメントが有名だ。安っぽく感じるので好きではないが、歩道を半分ほど切ったところで止まっている、そのメッセージは何なんだろうか?

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2018年11月28日 (水)

実験中

銀座のCHANELのビルが長らく外装工事中だったけれど、その期間中の仕立て方が素敵だった。なんと仮設の鉄骨を街灯に見立てて、照明まで点けている。店内(おそらく1階全体がリニューアル)もこういったテーマ仕立てになっていて、外からつながった一連のエクスペリエンスとしてデザインされていた。工事中というネガティブな要素を、ごまかすというよりもむしろ、この機を活かして普段はできない実験にチャレンジするというアクションに、考え方として学ぶものがあるように感じた。

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2018年11月23日 (金)

ヤカン

どことなくヤカンのような感じがするALESSIのケトル。イタリアのブランドでステンレス製なのに、なぜに日本的に感じるのかと思ったら案の定、深澤直人のデザインだった。その名も「CHA」。ケトルでお湯を沸かした後にそのまま茶葉を入れてティーポットとして使える、とのこと。なるほどヤカンだ(しかも2万円近くするヤカン)。ちなみにヤカンはもともと薬を煮出す道具がルーツで薬缶と書くそうだ。それにしても柄の取付け部分なんかは、まるで柳宗理の土瓶にそっくりじゃないか、と小さな声で愛を叫ぶ。

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2018年11月19日 (月)

システム手帳

メモメモ。

これは中世の絵画に描かれていたシーン。インク壺と共に、ほぼ日本の矢立と同じような道具を手にしているのもわかる。

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そして足元には、何とシステム手帳が。調べてみると、いわゆる現代のシステム手帳の発祥は英国の Filofax で、意外と新しく1921年だそうだ。この絵に描かれた手帳のようなものはそれより数百年古いことになるが、一体どういうファイリングのシステムになっていたのだろうか。

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自分も長らくシステム手帳を愛用しているが、スマホを使うようになってからはあまり使わなくなってしまった。手書きで文字を書く機会が減っていくと同時に、自分の中で持っていた機能というか能力というか、何か大切なものが失われつつあるような気がしてならない。

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2018年11月14日 (水)

OZO

古道具屋さんの店先に転がっていた看板。そこには、見ようによっては顔文字のようにも見える OZO の文字。見覚えが無いのもそのはず、昔のフランスのガソリンのブランドで、その後ブランドの統廃合を繰り返したあげく、今ではTOTALに飲み込まれているとのことだ。

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2018年11月 9日 (金)

モリゾ

Googleでうっかりモリゾーで検索してしまうと緑のオバケが出てくるが、こちらは画家のモリゾ、Berthe Morisot。彼女は美人のモデルとしてマネの絵によく出てくる(そして弟と結婚している)ことで有名だが、その頃にはすでに画家としてのキャリアをスタートさせていた。このあたりの劇的な人生は、数年前に映画化されている。

こちらの絵は彼女の作品で、米国で見たもの。勘違いしそうだけど、どうやら自画像ではないようだ。

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大きな窓を背にした逆光のシーンであろうにもかかわらず、あまり影を感じない明るい表現がいかにも印象派っぽい。仮にその先入観を捨てて観たとしてもなお、女性らしいふんわりした優しい表現に感じる。足元で子犬がじゃれている様子をつい描いてしまう感性もまた、ある意味で現代的と言ってもよいのではないだろうか。

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2018年11月 5日 (月)

Form giver

インゲヤード・ローマン Ingegerd Raman というデザイナーを知っている人は、もしかすると少ないかもしれない。スウェーデンのプロダクトデザイナーで、グラスウエアの会社のインハウスデザインに長らく所属していた為に個人名が表に出る機会は多くなかったからだ。彼女は75歳にもなる今でも現役で、近年ではIKEAや日本のメーカーなど様々な会社とコラボレーションをしている。

そんな彼女の企画展が都内で行われている。

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クラフト的な作品もあるけれど、展示の多くは実際に販売された、あるいは今でも販売されている量産のプロダクトだ。どれも飾らず、真摯に素材と対峙して「手」で考え抜いた造形であることが伝わってくる。

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北欧的という言葉が正しいかわからないが、作品はどれも静かで時代を越えた、そしてシンプルで実用的なデザインでもある。陶芸出身だった彼女は、自らをデザイナーと呼ばず Form giver と呼んでいるそうだが、作品に対する考え方や決意が表されていると同時に、どこか詩的で美しい響きにさえ感じる。

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こちらは有田焼のメーカーとのプロジェクトで、数年前のリビングショーで展示があったのを覚えている。モダンなスタイリングながらも、さすがは陶芸出身だけあって、こなれた感じがする。

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今回の展示は気合が入っていて、展示デザイン(地元のデザイナーだそうだ)も素晴らしかったが、チラシと図録もビジュアル的にクオリティが高いものだった。

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そして彼女の作品を紹介する珍しい書籍を、友人が持っているというので貸してもらった。やはりこちらの表紙も、彼女の作品らしくさっぱりした素敵なデザインだ。

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グラスウエアの撮影を心得ているフォトグラファーだ。

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このピッチャー&グラスは展示にもあったが、シンプル&モダンで美しい。都内のショップで触れてみたことがあるが、すごく薄くて怖いくらいだった。きっと水のきりりとした質感も、指先や唇から伝わってくることであろう。

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模様の施されたものもあるけれど、それでもモダンな表現のものが多い。現代の生活においてクラフトがどうあるべきかをデザイン的に思考して表現している、という感じだろうか。

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2018年10月31日 (水)

双胴機

双胴機で、しかも飛行艇、しかも単発エンジン、しかもイタリア製。こんな飛行機は見たことがない。これは模型だけど、写真なども展示してあったので、どうやら実在したようだ。

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水上離発着のフロートを兼ねた双胴部分は、おそらく客室があるに違いない。そして巨大なエンジンの真下には、いかにも窮屈そうな操縦室がへばりついたかのように見える。グラフィックもイタリアらしからぬ不思議なデザインだ。

一方、双胴機と言えばP38ライトニングではなかろうか。フランスの作家、サン・テグジュペリが二次大戦末期に操縦し、そして消息不明になった飛行機で知られている。ダイキャストのミニチュアを持っているけれど、小ぶりながら個性的なデザインだ。複雑な構造にもかかわらずプロポーションが良いからなのだろうか、視覚的にも破綻なく安定したスタイリングに感じる。

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2018年10月26日 (金)

ガルウイング

世界初のガルウイングのドアは、このメルセデス( 過去の関連記事 )だった。何かのイベントだろうか、銀座で展示してあったものだ。ガルウイングとはよく言ったもので、特にこの位置から見ると車体の断面形状がまさにカモメの翼を模しているかのようだ。

このドアは、大きなドイツ人が小さなコックピットに出入りするために考え出したアイディアに違いない。最近ではテスラなんかも採用しているが、車自体が居住性を求めて大きくなったせいもあるのだろう、今ではそんなに多くは見られない。ちなみにこのドアの断面形状で気づく人もあると思うが、この車種は窓を開けることはできない。エアコンなど無かったこの時代、夏でもうすら寒いドイツならではの思い切りだったのかもしれない。

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更に下の写真を見ると座席の外側の厚みが半端なく分厚いのがわかるが、この構造的な理由もあって開口部を上に開けなければならなかったのかもしれない。そしてヒンジ付近に見えているオイルダンパーも、もしその時代に無ければこのドアは実現しなかったのだろう。様々な条件や制約があったからこそ新しいアイディアやイノベーションは生まれるのだなあと、あらためて感じた。

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2018年10月22日 (月)

ベルトイア

アメリカへ移住したイタリア人デザイナー、ベルトイア。イームズと共にミッドセンチュリー時代の家具デザインを牽引したひとりだ。彼の代表作はワイヤーを駆使したチェアが知られていて、写真はそのうちのひとつ。

金網のようなものをプレスしたんだろうな、くらいにしか思ってなかったが、ロッド1本1本を三次元形状に曲げたものを溶接して組み上げられている。ベルトイア自身が金属加工のエキスパートでありアーティストでもあったそうなので、なるほど納得がいく。彼のアート作品も気になるので、いつか見てみたい。

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