2019年3月20日 (水)

北欧的

Thomas Bentzen というコペンハーゲンのデザイナーによるチェアを、都内のインテリア系の展示会で見つけた。

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このシンプルなデザインで最大の特徴が、この厚紙を巻きつけたような変わったアームレストだ。これは背もたれや座面と同様にプライウッド( 過去の関連記事 )で作られていて、実際に座ると肘当たりの感触が全然違ってくるにちがいない。素材的にも北欧的といえばそうなのだけど、どこかプロトタイプのまんまという感じなのがむしろ現代的とも言える、かな。

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実は我が家にある Royal Copenhagen社製のマグカップも彼のデザインで、装飾を最低限に抑えながらも、この北欧を代表するブランドの持つ価値を引き出しながら現代的に仕立てようとしているところに共感が持てる。( 過去の関連記事

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2019年3月15日 (金)

アレンジの感性

とあるお店でムチムチした動物のオブジェがディスプレイしてあったのだけど、はたしてこれは馬なのだろうか。まるで発掘されたかのようなテクスチャに見えるが、実際には古いものではないかもしれない。そして何か詰め物が入っているかのような、例えるとギョーザあるいはラビオリのような膨らみを持っているけれども、素焼きなどの陶器で中空になっているのかもしれない。何とも不思議な存在感だ。

しかしこれが置かれているチェストの色味との相性や、隣りに現代的で透明なモノを並べて置くあたり、これをアレンジした人はタダモノではない感性ではないかと感心してしまう。

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2019年3月11日 (月)

そり

このアンティークの掃除機を博物館で見た時に思い出したのが、自分が30何年か前に大学の卒業制作で提案した救急搬送用のストレッチャーのデザインだ。キャスターに加えて階段用の「そり」をつけて搬送者の負担を軽減し時間短縮を図ろうとしたもので、ふりかえると無謀で生煮えな提案だったけれども、今となっては良い経験であり思い出だ。

さてこの掃除機、消火器のようなボディからは内部圧力を封じ込めうる力のようなものを感じる。英語で掃除機は Vacuum すなはち真空だけど、そのパワーを真摯に表現しようとしたのかもしれない。そのボディの下を見るとキャスターが全く無くて「そり」だがけ付いているが、床に傷が付くことをいとわなかったのだろうか。あ!私の提案もそうか。

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2019年3月 6日 (水)

テクスチャーとしての文字

若くしてパリで死んだ佐伯祐三。Wikiによると、画家としては東京藝大卒業後、わずか6年間という短い創作活動だったそうだ。家族と渡仏中に何と自殺未遂し、その後に衰弱死したということで、一旦その事実を知ってしまうと絵から伝わるものも違ってくるような気がする。

この写真は竹橋の近代美術館にあったもの。ユトリロやブラマンクの影響を受けている、というのは説明されなくてももわかるような画風だ。明確に彼の個性を感じるのは、文字に対する妙なこだわりというかフェチシズムだろう。ポスターや看板の文字を執拗に、しかも手荒に描いていて、ほぼテクスチャーと化しているその様は、ある意味でモダンアートっぽくも見える。

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2019年3月 1日 (金)

AOC

南フランスの田舎で見かけた、かなり出来の悪い看板。このAOCはアオセ認証のことなのだろうか?ワインかチーズの産地が近かったのかな?

アンティークショップと言うよりは古道具屋的な店先だったけど、屋外に展示というか放置されたものがどれも風化度合いがどれも激しくて、良い悪いは別として薄っぺらな工業製品とは一線を画す趣きを持っていた。

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2019年2月25日 (月)

スワローテイル

知人のスペイン人デザイナー Jorge Herrera によるラウンジチェアーは、美しい木のフレームの上に樹脂成型に布張りしたシートが乗っている、というか浮かんでいるような構造で、徳島県のメーカーが製作している。

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このチェアにはGolondrina という名がついているが、これはスペイン語でツバメを意味する。ん?どこが?と思ってぐるりと見て回ると、なるほどフレームの後ろがスワローテイルっぽいフレーム形状をしていた。きっと彼のこだわりのポイントなのにちがいない。

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2019年2月20日 (水)

刺客

はっ、殺気!と思って振り返ると、そこにはまさに弓を射んとする刺客の影が。これは西洋美術館の、コルビュジェの設計した柱に映った「弓をひくヘラクレス像」。

このブロンズ像の作者ブールデルという彫刻家は、Wikiによるとロダン( 過去の関連記事 )の弟子で、そして彼自身の弟子の中にはジャコメッティ( 過去の関連記事 )がいるそうだ。

若きコルビュジェとも同時代を生きているはずなので、もしかするとパリのどこかで顔を合わせていたのかもしれない、と考えるとこの写真も奇跡の再会と言える。しかし肝心のブロンズ像の写真を撮ってなくて、ブルーデルには申し訳ないことをした。

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2019年2月15日 (金)

ヴァロットン

世紀末にパリで活躍したヴァロットンだが、数年前に都内で「冷たい炎の画家」という不思議なタイトルの回顧展があった。調べてみるとスイス人とのことで、しかもモーリス・ドニ( 過去の関連記事 )やボナールたちと共にナビ派に属していたそうだ。

北フランスで見た下の写真の油絵もそうだけど、彼の作品はどれも心がざわめくというか、どこか不穏なストーリー性を感じる。たぶん視点がユニークなのだろう、ちょっと風刺画っぽく感じるものも多い。ぱっと見がまるで切り絵のような木版画作品も多く、むしろ当時はそちらの方が有名だったそうだけど、それらは更にアイロニカルあるいはシニカルな表現だった。これが「冷たい炎」の所以なのかもしれない。

もちろん思い切った構図や強いコントラストといった独特な画風も、作品に強烈な個性を与えているのは間違いない。少なくとも世紀末のパリでは、かなり斬新だったにちがいない。

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2019年2月11日 (月)

フレンチカジュアル

プロダクトというものは機能的充足だけを求めるものではないので、例えば車にファッション性やカワイイ要素を求めるのも当然あってしかるべきだと思う。

こちらのシトローエンは、カラーリングやグラフィカルなアクセントがまさにフレンチカジュアルな雰囲気を狙っているのかもしれない。ドアについている電源ボタンみたいなのは、ちょっと理解できないけれど。

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ところで、この車の顔はユニークだと思う。一瞬どれがヘッドライト?っていうのもまた良い。

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2019年2月 6日 (水)

自虐ネタ

おそらくオールドマイセンなのだろうけれど、この作者は一体何を意図したのだろうか?彼女に会いに来たのに犬と目が合っちゃったよ的な、自虐ネタというか喜劇というか、そういうウケが求められたのだろうか。それでもマニアの人が見れば、ああ作者は誰々で何年頃の作品ね、とわかるのかもしれないけれど、なにせ素人なもので。。。( 過去の関連記事

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2019年2月 1日 (金)

情緒とデザイン

純粋に日本的な情緒を感じるこれらの照明は、意外にも Davide Groppi というイタリア人によるデザインだ。こちらは直径が1メートルくらいはあるペンダントライトで、樹脂に貼りついた和紙の模様が月のように見える。このくらいの抽象度とモダンさのバランスが、時代的にもしっくりくる。

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そしてイサム・ノグチを想起させる形状のフロアライトは、意外と工業的な材料を使っているのが面白い。つまんで移動させることができる先端部分のディテイルも、とても合理的でユニークだ。こちらのプロダクトもまた情緒的なところを突いてくる、なかなかの「感性度」のデザインだと思う。

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2019年1月28日 (月)

パウル・クレー

スイス出身のパウル・クレーは、美大時代を過ごしたミュンヘンでは青騎士( 過去の関連記事 )にも属していた。彼はその頃からの友人でもあるカンディンスキーと共に、バウハウスにおいて教鞭をとっていたこともある( 過去の関連記事 )。

そしてこちらは、米国フィリップスコレクション( 過去の関連記事 )にあったクレーの描いた小さな作品。おそらくゴシック建築の教会を描いたであろうと思われる線刻が、まさにグラフィックデザインっぽくてモダンな感じがする。

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そして下の写真は、都内で現在行われているフィリップスコレクション展にも来ている別の作品の、そのクローズアップ部分。質感がまるで陶板か壁画のようだけど、これは果樹園の様子を描いた油絵で、様々な植物が同じく線刻で描かれている。中には人の姿なんかもあって、クレーの絵は本当に見ていて楽しい。

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2019年1月23日 (水)

ミッフィー

うさこちゃん、ことミッフィーの巨大な照明。作者のディック・ブルーナーは近年亡くなられたが、Wikiによると地元オランダのデ・スティルの影響を受けた作家だったとの記載があり、少し驚いた。確かにモンドリアンの晩年の作品と比較すると、シンプルな構成と太い輪郭、そして限られた色数と強い色調という特徴は共通かもしれない( 過去の関連記事 )。キャラクターにしてはロングライフなのも、このあたりに秘訣があるのだろう。

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2019年1月18日 (金)

フランス民藝

フランスのアンティークショップや博物館などで、古道具に混ざってこういった備前焼のような陶器に出くわすことがある。日常使いなのだろう、飾り気が無くて実用に徹している。まさに民藝的だ。

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こちらの壺たちもまた、味わい深い。同じくフランスで見たものだけど、いったいどれくらい古いものなのだろうか。

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こちらは大きな水瓶で、二人で運ぶことを考えたのだろうか、ハンドルが四つも付いている。中にはご丁寧に、縦向きと横向きのハンドルを両方つけたものもあるのがわかる。

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2019年1月14日 (月)

若手発掘

このチェア、まるで機内用の空気で膨らませるネックレストのようだ。シートが未処理な感じなのは、その対比を強調したかったのだろうか。まさか気が回らなかったなんてことは無いだろうけど、座り心地なんて主題ではないという態度がむしろ潔いとも言える。これは昨秋、都内で Young Swedish Design 2018 の一環として来日、展示されていたもの。いいなあ、若いって。

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2019年1月 9日 (水)

構成的立体

Julian Wild というUKの彫刻家の作品が、高層ビルの裏庭にひっそりと置かれているのを見つけた。彼の作品は以前、ロンドンでも見たことがあるけれど( 過去の関連記事 )、仮組み的というか刹那的というか、どこか完成に至るまでの過程のような構成的立体( structural sculpture )が多い。ある意味、デ・スティル( 過去の関連記事 )に通ずるものを感じる。

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遠目で感じる立体感は近くに寄ると自然と消滅し、むしろその素材の質感や構成の面白さに関心が吸い寄せられる。なるほどパブリックアートとして、とても良くできている作品だ。

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2019年1月 1日 (火)

戌から亥

戌年から亥年へ。ということで、犬に噛みつかれる猪の図。おそらく狩猟のシーンを描いたものだろうけど、ドッグイヤーこと戌年に急かされて渋々その重い腰を上げて動き出した亥年と見立てれば、まあ今年のスタートとして使えるかなと。

ちなみにこれはローマ時代のモザイクで、フランスのコンデ美術館( 過去の関連記事 )の床にあったもの。大理石の色味も美しく、しかもかなり細かい細工だったけれど、いったいどこから移設(あるいは略奪)されてきたものなのだろうか。

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2018年12月26日 (水)

猫脚

都内のとあるショールームで、猫脚のバスタブを見つけた。かなりマニアックなスタイルだけど、これをカワイイ!と感じるのも、まあ理解できる。がしかし、これを置く浴室ってどんな環境なのだろうか、いまひとつ想像できない。それにしても右側のミニチュアのカワイイこと。もしかして子供用?まさかのペット用?それとも単に飾り物?

こういった装飾的な脚って欧州のアンティーク家具 (過去の関連記事 )なんかにもよく見られるけれど、どうして猫脚って言うのだろう?と思って調べてみると、英語では Cabriole leg と言うそうだ。そう、車のコンバーチブルを指すカブリオーレと同じ。そしてその語源は、フランス語でヤギがジャンプすることだそうだ。猫、家具、車、ヤギ。うーん、それぞれのイメージが結びつかない。。。

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2018年12月21日 (金)

降誕祭

ドイツで良く見かけるクリスマス・ピラミッドは、街角に建てられる大掛かりなもの( 過去の関連記事 )が産業革命の頃に炭鉱町で建てられ始めたのが最初だそうなので、歴史はそんなには古くないようだ。今では蝋燭の対流で回る卓上の飾り物を、デパートなんかでもよく目にする。

そしてイエス降誕のシーンはクリスマスの定番( 過去の関連記事 )で、そのクリスマス・ピラミッドでくるくる回る飾りの重要なモチーフになっている。

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一方このシーズンになると、街角にも特設の祠(ほこら)的な小屋が建って生誕シーンの像が置かれることがある。ミュンヘン時代に見たものは、下の写真のように南ドイツっぽい木彫の像だった。

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2018年12月17日 (月)

クリスマスツリー

Fröhliche Weihnachten すなはちメリークリスマスと書かれたドイツのクリスマスカード。モコモコに着ぶくれした女の子が、小さなツリーを持っている( 過去の関連記事 )。これはアンティークの復刻版なのでオリジナルが古いせいもあるけれど、かわいいモチーフながら「ちゃらちゃらした感」が無いのが南ドイツっぽい。

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一方、このツリーの置物はミュンヘン時代に Kafer (懐かしい!)で買ったもの。こちらもかわいいモチーフがあるものの、シルバーなので落ち着いた雰囲気だ。よく見ると、ちゃんと枝にクックロビン( 過去の関連記事 )がとまっているのがわかる。

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