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2015年5月

2015年5月28日 (木)

丘の上を吹く風

なだらかな丘が果てしなく続く北フランス。その中でもノルマンディー地方は海が近いこともあって、風がいつも吹いている印象がある。おかげで天気も変わりやすく、遠くの雨雲もあっという間にやってきて、ひと雨降らせては去っていく。これはすぐ隣りのオランダでも同様で、吹く風を利用して生活に役立てたいと考えるのはごく自然なことだったのだろう。( 過去の関連記事 )。ちなみに下の写真には、遠く世界遺産のモンサンミッシェルが写っている。

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そしてやはりと言うべきか、風力発電の多いこと。いたる所で遭遇する。原発も北フランスでは所々で見たけれど、今そこに吹く風を利用しない手はないということだろう。

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菜の花とのコントラストも、今やとても欧州的風景だと思う( 過去の関連記事 )。

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2015年5月25日 (月)

モデュロール

ロシェ邸( 過去の関連記事 )のレポートに引き続き、ちょうどパリ滞在中に開幕したコルビジェ展を見に行ったので紹介する。展示会場は、なぜかいつも賑わっているポンピドゥーセンター。この複雑なメタボリズム的建築を( 過去の関連記事 )、今コルビジェが見たらどう思うだろうか。

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コルビジェと言えば、出身国スイスの紙幣にも記されている Modulor/モデュロール( 過去の関連記事 )。彼のデザインした多くの建築が、このヒューマンセントリックなスケールで設計されている。この人体寸法から建築に用いる数列を導きだしたプロセスを示す貴重な資料が、前回の記事でも紹介したコルビジェ財団から出展されていた。

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そして年季の入った建築模型たち。木材に石膏を刷毛塗りして削っていると思われる。

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以前に訪問したロンシャンの礼拝堂( 過去の関連記事 )のスタディも展示してあった。ランダムに見える採光窓のバランスも、独自の理論で計算されていることがわかる。

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そして展示にもあったペリアンと共に開発された照明や家具たちは、ミュージアムショップでも売られていた。もちろん買って帰るわけにもいかず。

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2015年5月20日 (水)

ミュージアム巡り150 ロシェ邸

コルビジェのデザインした建築はパリ市内とその近郊に20近く残っていて、その約半数が有名なサヴォア邸( もう4年も経ったんだ 過去の関連記事 )を含む個人邸宅だ。そのうちの一つで、市内とはいえブーローニュの森( 過去の関連記事 )にほど近い閑静な住宅街にあるロシェ邸が見学できるというので訪れた。

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しかしながら古い住宅街の、しかも奥まった敷地で案内も無いに等しく、手掛かりの住所でさえあてにならない状況だったので迷いに迷った。やっとたどり着いた建物も入口がわからず、表札もない玄関のベルをおそるおそる押して、ようやくドアを開けてもらうという感じだった。

あとで知ったのだけれど、ここはロシェ邸とコルビジェの兄のジャンヌレ邸がひとつながりになった建築で、まぎらわしく玄関も二つあるのだった。上の写真の奥に見えているのがジャンヌレ邸に相当し、今ではコルビジェ財団の事務所となっていて、手前のロシェ邸部分の管理も行っているそうだ。今回見学させてもらうロシェ邸の入口部分のファサードはこんな感じ。窓越しにシェーズロングがお出迎え。

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入っていきなりの空間は3フロア吹き抜けで、中二階にある階段の踊場をあえて突出させてアクセントとしている。

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ロシェという人は銀行家で、レジェやブラックなどキュビズム作品のコレクターだったとのことで、彼の邸宅は絵を楽しむギャラリー部分に最大限の力が入っている。自ら画家でもあったコルビジェは彼にコレクションの指導をしていたというから、この空間もクライアントの要求というよりは、まあ半分コルビジェの趣味というか嗜好が強く出ているのだろう。

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上の写真で左側に見えているのは大きくカーブした壁で、下から見るとこんな感じ。壁に沿って作られた階上へのスロープは、かなり無理のある勾配で歩きにくい!けどカッコいい!

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かつて絵画を展示していたであろう反対側の壁面には、特別な照明を内蔵した不思議な形の造作と、それによって調整された自然光が入るように工夫された窓があった。

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そして黒い大理石の据え置きのセンターテーブル。上記の照明と共にシャーロットペリアンが関わったリフォームとのことだ。

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このギャラリー部分は2階にあって、その部分の外観は実にコルビジェらしいピロティになっている。サヴォア邸でも感じたのだが柱の細さが、特に重厚な石造りの街パリにいると建築としては異様なまでのきゃしゃ加減に感じ、それでも90年近く前の当時だと超モダンで斬新なデザインに見られたことであろう。

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2015年5月14日 (木)

ミュージアム巡り149 ルイ・ヴィトン

ルイ・ヴィトン財団の私設ミュージアム FONDATION LOUIS VUITTON が、昨年パリ郊外にできたので行ってみた。場所はパリ環状道路の外側の西域にある広大なブーローニュの森の中で、デザインはFrank Gehry ( 過去の関連記事 )だ。

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森の中なので建築の全体像を俯瞰しにくかったけれど、このゲーリーらしい複雑な造形はヨットのような帆船をイメージしたそうだ。造形はともかく、帆にあたる屋根は3Dガラス、構造体には木材を多用しているところが新しい。

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そしてガラスの帆を取り払うと、建築本体はこんな造形になっている。うーん、やっぱりゲーリーだ。同じく彼のデザインによるVitraミュージアム ( 過去の関連記事 )は、内部を体感してみると形の意味が感じられたが、さすがにこれだけ複雑な造形だと「なるほど」と思える所よりも無理して形作ってる感が勝ってしまっている。

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屋上に上がってみると、その本体の複雑な造形の一部を体感できる。

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そして、そこから森越しに見えるパリ新都心。市内では見られないような高層ビルが密集している。小さく新凱旋門が見えている。

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2015年5月11日 (月)

格子窓

欧州ではしばしば見られる古い鉄格子のついた窓( 過去の関連記事 )。何もそこまでしなくてもとは思うけれど、石と鉄の文化を象徴していると感じる。

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そして日本の場合は土と竹、なんと優しい表情でしょう。まあ茶室の場合ですが、同じ格子でも目的と材料と感性が異なればここまで違ってくるということで。

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2015年5月 6日 (水)

遠いまなざし

遠く海を見下ろす高台に据えてあった、英国の彫刻家ヘンリームーアのブロンズ作品( 過去の関連記事 )。「王と王妃」というタイトルなのだが、貫通する目の造形表現が二人の心の所在がここ(熱海ですが)ではなく、どこか遠くにあるかのような印象を強めている。このロケーションと作品とのあまりにできすぎたマッチングが、二人の遠いまなざしをより孤高で寂しいものにしているように感じた。

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