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2015年6月 8日 (月)

ミュージアム巡り152 モネの庭

パリから蛇行するセーヌ川を下って北に向かうと、間もなくヴェクサンの森にさしかかる。このあたりから先は、北フランスの中でもノルマンディーと呼ばれる地域になる。あちこちでリンゴの花が咲いているのを見かけるが、この地域の特産品でもある。

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モネが創作の拠点として半生を過ごしたジベルニーの村は、そんな豊かな自然の中にある。ノルマンディーでよく見られる白い石造りの家がまばらに並ぶ通りが、その村のメインストリートだ。人の気配が無く、鳥の声が響くだけの本当に静かな村で、今が盛りの藤の花が妙に華やいで見えた。

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この通りのはずれにある家を借りて二泊したのだけれど、白い石の外壁がそのまま内壁となっている素敵な部屋だった。

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そして同じ通りに面しているのがモネの家。もう百年以上経っているような建物が、博物館仕立てで見学ができるようになっている。観光客がズカズカ入っていくには、もう無理がある古さと小ささに感じた。

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あ、モネ先生。おじゃまします。

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かつてアトリエとしても使われた、一番広くて明るい部屋がこちら。壁には当時のまま絵が掛けられるように木の桟が付けられていた(絵はもちろんコピー)。アトリエは別の棟にもあって、時代と目的によって使われた部屋が異なっていたようだ。

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そしてモネ自身が研究しながら庭づくりに没頭し、庭師を雇い、拡大していった庭は、今でも整備されている。この時期は百花繚乱の華やかさ。

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浮世絵をこよなく愛したモネが、日本庭園をイメージしてつくったという池も残っている。オランジェリーにある睡蓮の一連の作品はここで生み出された( 過去の関連記事 )。池端には柳を含む多くの樹木が植えられていて、それらが成長して巨木となったせいだろうか、あたりは今や鬱蒼とした感じになっている。

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池を回遊できる小道も整備されていて、日本風を意識したという橋も架けられている。確かに彼は太鼓橋として数多くを描いているが、この橋がオリジナルなのかどうか、絵にあるような曲率ではないように感じた。ここでも藤の木が勢力を伸ばしている。

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オランジェリーでも感じたのだが、やはりモネは池の水を描きたかったのではなく、そこに映り込んだ空や木々の風景、いやむしろここにあるけれど見えない空気というか世界を描きたかったのではないか。睡蓮はわざわざ日本から取り寄せたとのことだが、ここで水面に浮かぶ葉を見ていると映り込んだ空に浮かんでいるかのような錯覚を覚える。あたかも異なる世界を覗き見ている時に、ふと現実の世界に引き戻してくれる存在かのように。

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