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2015年6月

2015年6月25日 (木)

待ちぼうけ

雨の中、お店で買い物中のご主人様を待ちぼうけ。そんな普通の風景も、さすがにパリだと絵になるなあ、ということでパチリ。ああ、そんな悲しい眼で見ないで、もうすぐご主人が出てくるだろうから。( 過去の関連記事

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2015年6月22日 (月)

ミュージアム巡り154 機械仕掛けのアラベスク

パリのセーヌ川沿いにあるInstitut du Monde Arabe は、ガイドブックなどでは「アラブ世界研究所」と訳されているが、ポンピドゥーセンター同様にギャラリーや図書館、シネマなどのコンプレックスなので、いっそアラブ文化会館と呼んではどうか。ダメすか。

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このガラスで覆われたシンプルでモダンな建築をデザインしたのは、フランスが誇るプリツカー受賞の建築家ジャン・ヌーヴェル。日本では汐留の電通本社ビルが有名だ。そして更に近寄ってみるとそれぞれのガラスパネルにはアラブ風の、そうアラベスク模様が施されているのがわかる。

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更に近づいてよく見てみると、その模様があたかもカメラのシャッターの絞りみたいに光量を調節できる構造になっていることがわかる。無駄に凝ったブラインド、みたいな。いわば機械仕掛けのアラベスク模様といったところか。

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たまたま近くにあるポンピドゥーセンター( 過去の関連記事 )の展示で、その複雑な構造体を間近で見ることができた。これはメンテナンス大変だろうなあ、壊れたらどうするんだろう。これで建築の外壁全面を覆いつくそうって、とても建築家の発想とは思えない。

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2015年6月17日 (水)

ミュージアム巡り153 門外不出

収蔵品が質・量ともにルーブル( 過去の関連記事 )に次ぐフランス第二の美術館と言われているのが、意外にもパリ近郊にあるこの白い城だ。シャンティイ城と呼ばれ19世紀末にフランス最後の王の息子、すなはち王子が、自らの居城に集めたコレクションを母体としたコンデ博物館だ。

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彼は集めた作品全てを一切動かさないことを条件に国に寄贈したために、コレクションは門外不出はもちろん展示レイアウトまでも変更することができず、作品を見る為に我々はこの城に来るしかないわけだ。

最大のギャラリーは自然光の入る明るい空間。右側に母方のイタリアの絵画、左側に父方のフランスの絵画、という個性的な展示になっている。なるほど、このこだわりも変えてほしくなかったわけね。

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そしていくつもの小部屋に分かれて、例えばラファエロの三美神や聖母子などの名品が展示されている。

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そして膨大な知の集積である風格ある図書館、これも圧巻だ。それもそのはず、古文書の蔵書数でもフランスでトップクラスとのことだ。こういう空間って何か無性にワクワクする。手に取って見れないのが残念だけど、まあ当然か。

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ちなみに、ここの広大な庭園はベルサイユ宮殿と同じル・ノートルの設計とのこと。これはあんまり興味が無いし、なにより何キロも歩くほど体力も無い。

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2015年6月11日 (木)

セーヌに架かる橋

大きく蛇行しながらパリの中心を貫き、それでも街の喧騒をよそに悠々と流れるセーヌ川。そこに架かる橋はどれも交通の要衝で、それぞれの歴史と個性をもっている。そんな橋の位置をビジュアライズしたおしゃれな地図を川沿いの自転車道で見つけた。セーヌ( LA SEINE )が橋々で分断されている感じの表現が面白い。

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橋の意匠は大げさなものが多い。例えばこの橋、 Pont Alexandre III という名前もいかついが、鉄橋なのにこの装飾だ。作られた時代の背景や事情なんかがいろいろあるのだろうけれど。

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そんな橋の中でも最近話題のポンデザール( Pont des Arts )は訳すと芸術橋。愛の鍵( 過去の関連記事 )のブームで4年前は下の写真の程度の鍵の数だったのが、今は隙間なく埋め尽くされたあげく、重さが40トンを超えて一部崩壊したので撤去するというニュースが流れていた。一様に「愛の重さに耐えかねて」と表現していたところが滑稽だった。そもそも他の重たい石造りの橋、例えば奥に写っているパリ最古のポンヌフ( Pont Neuf )、なんかと違って、この橋は200年前のものとは思えないような鉄筋フレームにウッドデッキという軽やかで素敵な橋なので、欄干を透明樹脂にすると聞いてがっかりした。これはきっとパリの人たちかのことだから、反対運動がおこるに違いない。

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2015年6月 8日 (月)

ミュージアム巡り152 モネの庭

パリから蛇行するセーヌ川を下って北に向かうと、間もなくヴェクサンの森にさしかかる。このあたりから先は、北フランスの中でもノルマンディーと呼ばれる地域になる。あちこちでリンゴの花が咲いているのを見かけるが、この地域の特産品でもある。

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モネが創作の拠点として半生を過ごしたジベルニーの村は、そんな豊かな自然の中にある。ノルマンディーでよく見られる白い石造りの家がまばらに並ぶ通りが、その村のメインストリートだ。人の気配が無く、鳥の声が響くだけの本当に静かな村で、今が盛りの藤の花が妙に華やいで見えた。

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この通りのはずれにある家を借りて二泊したのだけれど、白い石の外壁がそのまま内壁となっている素敵な部屋だった。

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そして同じ通りに面しているのがモネの家。もう百年以上経っているような建物が、博物館仕立てで見学ができるようになっている。観光客がズカズカ入っていくには、もう無理がある古さと小ささに感じた。

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あ、モネ先生。おじゃまします。

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かつてアトリエとしても使われた、一番広くて明るい部屋がこちら。壁には当時のまま絵が掛けられるように木の桟が付けられていた(絵はもちろんコピー)。アトリエは別の棟にもあって、時代と目的によって使われた部屋が異なっていたようだ。

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そしてモネ自身が研究しながら庭づくりに没頭し、庭師を雇い、拡大していった庭は、今でも整備されている。この時期は百花繚乱の華やかさ。

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浮世絵をこよなく愛したモネが、日本庭園をイメージしてつくったという池も残っている。オランジェリーにある睡蓮の一連の作品はここで生み出された( 過去の関連記事 )。池端には柳を含む多くの樹木が植えられていて、それらが成長して巨木となったせいだろうか、あたりは今や鬱蒼とした感じになっている。

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池を回遊できる小道も整備されていて、日本風を意識したという橋も架けられている。確かに彼は太鼓橋として数多くを描いているが、この橋がオリジナルなのかどうか、絵にあるような曲率ではないように感じた。ここでも藤の木が勢力を伸ばしている。

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オランジェリーでも感じたのだが、やはりモネは池の水を描きたかったのではなく、そこに映り込んだ空や木々の風景、いやむしろここにあるけれど見えない空気というか世界を描きたかったのではないか。睡蓮はわざわざ日本から取り寄せたとのことだが、ここで水面に浮かぶ葉を見ていると映り込んだ空に浮かんでいるかのような錯覚を覚える。あたかも異なる世界を覗き見ている時に、ふと現実の世界に引き戻してくれる存在かのように。

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2015年6月 3日 (水)

ミュージアム巡り151 アルミとガラス

北フランスのベルギー国境に近い、かつて炭鉱で栄えていたというランスという小さな街に、その建物は建てられた。ルーブル美術館の別館 The Louvre Lens だ。
パリにある本館が石造りの重厚な宮殿をベースに複雑に増改築しているのに対し( 過去の関連記事 )、こちらはアルミとガラスによる明るく軽快、しかも地面に貼りつけたかのようなシンプルでフラットなデザインになっている。設計したのは、日本のSANAAだ。

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アルミパネルは美しく磨かれているために周囲の風景を映し出し、ガラスと共に建物の存在感を消し込むことに寄与している。

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中央のエントランス棟は四方がガラス張で、コルビジェ建築を彷彿とさせる細い柱が軽やかに天井を支えている( 過去の関連記事 )。そしてショップやライブラリなどの機能を内包するいくつもの円筒形モジュールがダイナミックに配置され、しかもガラスを通して外からもそのリズムを感じることができるあたりがいかにもSANAAらしく、同じく彼らの作品である金沢21世紀美術館に通ずるものがあると感じた( 過去の関連記事 )。

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常設展は、別の棟で行われる企画展が準備中だったこともあるのだろうか、入場無料だった。喜んでいいのかどうか微妙だけれども。そして展示棟の壁は外壁同様にアルミパネル、そして床はコンクリート。壁には窓などが全く無いのだけれど、天井がルーバー越しに自然光が入る構造になっているので、思いのほか明るく驚いた。

写真ではわからないが地面の起伏に沿って建築全体が造られているので、床がゆるやかなスロープになっていて、入口から見ると会場がやや下っていくのがわかる。ほんの少しだけど、遠くが見通せる感じがエクスペリエンスとして新しい。昨年訪れた軽井沢の千住博美術館は、同じくSANAAの西沢立衛によるものだけど、自然に即するコンセプトという意味で通ずるものを感じた。

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ここの展示のユニークなところは、130mという細長い会場をテーマや地域や文化などで分類しないで、思いきって年代で並べるという方法。緻密なイスラムの工芸品の隣りにイタリアのテンペラ画があったり、大理石の彫刻の後ろに中国の影響を受けた陶器があったり。これはありそうで無かった。まるで松岡正剛の著書「情報の歴史」にある編集のように、一見脈絡の無いように感じる作品群が互いにシンクロして何かを物語っているように感じた。

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アルミの壁面には年代の目盛りがクールに刻されている。スタートは紀元前3500年。

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もうひとつユニークに感じたのは、エントランス棟の地下にある作品収蔵庫と修復スタジオがガラス越しに見学できるようになっていること。中に入って説明を聞いてまわるツアーもあるそうで、まるで工場のオープンファクトリーのようだった。

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このミュージアムがある街には、下の写真に遠く写っているような巨大な石炭のボタ山が無数に点在する。日本にもあるように、かつての炭鉱の街というのは寂しいものだ。それにしてもなぜ、あえてここにルーブルを建てようと思ったのだろうか。パリからはあまりに遠く、まわりには何もなく、平日だったせいもあって来館者も少なく車も路駐に近い感じで駐車できたほどだ。

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