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2015年7月

2015年7月29日 (水)

エトルタの船長屋

ここはノルマンディの Etretat エトルタ という地で、モネ( 過去の関連記事 )など多くの印象派の画家たちが描いた断崖がある。ちょうど海をはさんだ英国の対岸にもセブンシスターズという白い断崖が続く景勝があるけれど、きっと地学的な関連があるに違いない。

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ここには小さな町があって、この奇勝を見に来る物好きの観光客、その多くは私のように印象派の絵に描かれた風景にグッときてしまった人たちだろう、を相手にしたホテルやレストランなどの商売以外には何もないような所だ。

その街の中心部に数百年は経っているような木造の長屋があって、案内図には marche 市場 と書いてあったが、実際にはお土産物屋さんがいくつか入っているようなところだった。

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もともとは教会のような象徴的な建物ではなく、おそらく倉庫か工場のような特定の機能があったのだろう。柱が太くて本数が多いために、がっしりと頑丈な構造をしているのがわかる。それでいて窓の数も多く、建築としての工夫がなされているように感じた。何より屋根や柱の形があまり見たことがないような様式で、この地においてさえどこか異文化な雰囲気を放っている。最も顕著なのが、この入口に開いている不思議な丸い穴だ。

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そこから入ってみると、その曲率を受けた桟の形が骨組みの一部に見られる。まるで船の骨組みのようだ( 過去の関連記事 )。よし、これを船長屋と名付けようではないか。

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再び船長屋の入口にある丸い穴を近くで見てみると、サル?コウモリ?いや人? そこには不思議な守り神のような不思議な彫刻がぶら下がっているではないか。どこかケルトの文化的あるいは宗教的なものを感じる。

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そしてまわりをよく観察すると、建物の角にも何かいる。沖縄のシーサー的な、あるいは四天王みたいな感じだろうか。いやあ、本当に不思議な建物だ。

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2015年7月23日 (木)

ペリエ

日本ではあまり見かけないペリエのビッグボトルは1リットル。重いし太いので、握力の無い私なんかは片手ではかなり持ちにくい。そしておなじみのグリーンではなく、どういうわけか爽やかな淡いブルー。グラフィックも泡をモチーフにした妙にポップな感じだけど、ブランドとしてどういう戦略があるのだろうか。

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その背面にはサンドブラストでSP(社名?)の鏡文字。表からボトルの水を通して読ませたかったに違いないが、お客さんに伝わるかなあ。

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2015年7月20日 (月)

ミュージアム巡り159 ジャンヌダルク

 ルーアンのミュージアムその4は、フランスの英雄ジャンヌダルクのミュージアム Historial Jeanne d'Arc。今年できたばっかりとのことだ。中世の百年戦争の時に、英国に占領されていたオルレアンに潜入し、軍を奮起させ統率して見事奪還した少女が、19歳で火刑に処された土地がここルーアンなのだそうだ。なぜ英雄が火あぶりに?という方はWikiで調べてみてください、当時のこの国の情勢は複雑なのです。そんなジャンヌダルクの生涯を体感するミュージアムがここ。場所はルーアン大聖堂の横というか、ほぼ教会の一部だ( 過去の関連記事 )。

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展示はというと、中世の古い建物を巧みに使った最新のプロジェクションマッピングで、生い立ちから戦争での活躍、そして火刑といった劇的なジャンヌダルクの人生が動画で映し出されるというもの。建物は古くても設備や技術は最新なので、映像表現もなかなか凝っているし、部屋から部屋へと移動していくワクワク感の演出もよく考えられている。

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近くにはジャンヌダルクを祈念した教会もあったけれど、彼女が英雄視されたのは近年になってからということもあってか比較的新しいものだった。傍らに剣をイメージしたかのようなモニュメントがあって、ここがまさに火刑に処された場所とのことだ。

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その教会本体は、何をイメージしたのだろうか奇妙な形をしている。先ほどの塔が剣とすれば、これはさしずめヘルメットといったところか。

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その中に入ってみると、おおこれはすごい。天井は木製で、あたかも造船技術を建築に応用したかのような見事な曲面になっている。なるほど、これがやりたくてあの外観になったのかと妙に納得。

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2015年7月15日 (水)

ミュージアム巡り158 アイアンワーク

ルーアンのミュージアムその3は、アイアンワーク。鉄工芸博物館と呼べばいいのだろうか、古い教会をそのままミュージアムに作りかえている。教会をこんな風にしちゃっていいのかなあと思うけど、欧州ではカフェや本屋などに改造する例はいくつもある。日本にもあるのかな、寺を改造して何か別の目的に使うって。蕎麦屋とか?

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そして中はこんな感じ。ルーアンでは海峡を挟んだ英国から加工技術が伝わり( 過去の関連記事 )、工業的に発達したこともあって古いものが多く残っているようだ。なんせこう見えても、世界最大のアイアンワークのコレクションを誇るっていうからすごい。

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機能的に鉄である必要のあったもの、例えば門扉だったり、こういった窓の柵のようなものが最初は装飾の対象となっていったに違いない。

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例えば窓の防犯として鉄格子は必要、でも牢屋じゃないんだし何とかならないの、という感じ。( 過去の関連記事

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アイアンレースとは良く言ったもので、技巧をこらしたものはレースのような凝りようだ。

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そしてもちろん他の欧州の街と同じように、店の看板たちは欠くことができないアイアンアイテム( 過去の関連記事 )。

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そしてなぜか、やたらと多い鍵関係の看板。鍵屋が多かったのだろうか?

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もちろん鍵そのものも多数、しかも装飾が凝ってるものばっかり。もしかしてルーアンは鍵の産地だった?

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その他、生活に欠かさない鉄製品たちの数々。( 過去の関連記事

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鉄製の鉋(カンナ)って確かに今でもあるけれど、こんな歴史があったんだ。( 過去の関連記事

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その他、ハサミとかそのハサミを入れるケースとか、工具とか道具とか、刃物とか銃器とか、もう果てしないコレクション。一日時間をとって、じっくり見たいところだ。

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2015年7月 9日 (木)

ミュージアム巡り157 陶磁器

ルーアンのミュージアムその2。この街はルーアン焼きと呼ばれる陶器でも有名で、おみやげ物屋さんも街角にちらほら。土や釉薬などの原材料にもともと恵まれた土地だったのか、あるいはセーヌの水運で顔料の輸入や製品の輸出に適していたからなのだろうか。でもやっぱりデルフトと同様に( 過去の関連記事 )、かつての技術と品質の伝承はされていないように思う。

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ジベルニーのモネの家( 過去の関連記事 )のキッチンに使われていたタイルも、おそらく日用品としてこの地で作られたに違いない。セーヌを上れば近い場所でもある。

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そんなルーアンにある陶磁器博物館。そんなに大きくはないけれど、貴族の古い館だったであろう建物をそのまま使っていて、当時の生活をイメージしながら見て回れる点がよかった。

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やはりと言うべきだろう、ルーアン焼きも中国や日本の陶磁器の強い影響を受けている。隣国オランダの東インド会社を通じて大量に入ってきた製品にインスパイアされた欧州各地の陶磁器は、16~17世紀に大きな変化が起きていた。この地も例外ではなかったようだ。

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そしてこれは、日本の徳利(とっくり)の豊かな胴の曲面を想起させるピッチャー。こちらの生活様式に合わせ、使い勝手を考えた持ち手をつけている。模様も唐草っぽくて、なかなか素敵。

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赤い色味が入ったものもあった。模様も細かく、まさに伊万里っぽく感じる。

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使われ方が再現されているのを見ても、なるほど、なかなかカッコいい。白とガラスを使い色数を絞ったコーディネイトにしているので、それ自体が現代のセンスなのかもしれないけれど。

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そしてこのモダンなキュービックは何?歯ブラシ立て?と思って調べると、なんだインク壺。ちょっと痛んでるけど、これは欲しいかも。

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そして、うーん、なんだろう。ゴマとかネギとか入れる薬味入れ?なわけないか。

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2015年7月 6日 (月)

ミュージアム巡り156 ルーアン

セーヌ河の下流にあるルーアンは、海とつながる水運で中世から栄え、かつてのノルマンディー国の首都でもあった。旧市街には尖塔を持つゴシック様式の教会がやたらと多く、街並みも昔の姿を残していて不思議な魅力を持つ街だ。

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大戦中はドイツ支配の中、連合軍の爆撃を受けたとのことだが、中世の木組みの家並みも旧市街の中心部には残っていて、それもちゃんと現役なのがすごいと思った。

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老朽化して傾いているのか、あるいは意図的な意匠なのか。いずれにしても現代の水平垂直の構成に慣らされた我々の感覚は、いとも簡単に混乱してしまう。

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この街にはミュージアムもたくさんあったので、いくつか紹介していきたい。その中でも一番大きいのが、このルーアン美術館。あまり知られていないし期待もしてなかったのだけど、かなり立派なコレクションだったので驚いた。訪れた際は、マニアックなシエナ派(中世イタリア絵画)の企画展をやっていた。

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常設展では、シスレーやマネなど印象派だけでも相当数の展示があった。例えばモネの描いた地元ジベルニーの風景。ああ、確かにこんな感じだったなあ( 過去の関連記事 )。

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そしてやっぱりルーアンと言えばこれでしょう、同じくモネのルーアン大聖堂。同じ場所から描いた33枚の連作の中の1枚だ。彼は時間をかえて、同じモチーフが光や空気の微妙な変化によって見た感じや雰囲気が変わっていく様を克明に描き分けているのだ。睡蓮( 過去の関連記事 )や積藁などでも同じ試みをしているが、この大聖堂のバリエーションが最も豊かだと思う。

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そして、これがその大聖堂のリアルな姿。前にも書いたがノルマンディーという土地は気候の変化が激しく( 過去の関連記事 )、大聖堂の前にしばらく立っているとその表情が刻々と変化していく様を体感でき、これがモネが描きたいと思ったモチベーションに違いないと思った。

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2015年7月 1日 (水)

ミュージアム巡り155 ロダン

ロダンの邸宅が美術館として見れるというので行ってみると、なんとパリ7区の官公庁が多く集まる地区、しかも広大な庭のある宮殿風の立派な建物だった。一体どんな金持ちだったのか?

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庭にはおなじみ「カレーの市民」のブロンズがあった。東京の西洋美術館にあるものと同じオリジナルからの鋳造品で、12セット現存するもののひとつだそうだ。カレー( Calais )は今では英仏トンネルのフランス側の入口があるドーバー海峡に面した港町で、英国との百年戦争の際に包囲された軍に市民の命と引き換えに自ら絞首を申し出た6人の英雄の実話がベースになっている。苦悩に満ちた一人ひとりの表現が、いかにもロダンらしい。彼はこの作品に関しては、写真のように地面の高さで設置することを望んだとのことだ。

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そして室内には数々の大理石の彫刻。中でも有名なのは、愛人カミーユがモデルとされるこの作品。

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男性と女性の質感がリアルに彫り分けられている。とても大理石とは思えない。

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