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2016年5月

2016年5月27日 (金)

ミュージアム巡り172(US編) バーンズ

欧州を題したこのブログに含めるか迷ったのだけど、米国の文化基盤は欧州だということもあって、今月訪問した米国のミュージアムをいくつか紹介したい。

まずはバーンズコレクション。この名を聞くと、20年程前に西洋美術館で行われた展覧会で長蛇の列に並んだ記憶が蘇る。元々は製薬で財を成したDr.バーンズの邸宅に集められた美術コレクションで、非公開に近かったそうだ。彼の没後、財団として1960年代あたりから厳しい制約下ではあるものの限定公開されたり、日本を含む三ヶ所に貸し出したりもしたが、邸宅のセキュリティや保存環境などの課題から設備を充実する話となり、2012年にフィラデルフィアの一等地に美術館としてオープンさせたのだ。

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従って建物は新しく、とてもモダン。それでも今なお入場制限があって、事前予約が必要だった。この中にバーンズ邸の展示室が再現されている。もちろん便利で快適だけれど、個人的には古い邸宅内の環境で見たかったので、少し残念な気持ちもある。ちなみに設計は米国東海岸の建築事務所によるとのことだ。

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コレクションで一番多いのはルノワールで、何と181点!次いで69点のセザンヌ、そして親交が深くメインホールの壁画まで描いてもらったマティス( 過去の関連記事 )。ピカソやゴッホやモネも名作ぞろいという、ものすごい個人コレクションだ。

オリジナルの展示方法が忠実に再現された部屋は、Dr.バーンズの個性的というか変態的な展示方法が強烈だった。自分で選んで自分で買って自分の部屋に飾るのだから、まあ好きにすればいいのだけど、それを批判する人達がいたもんだからDr.バーンズはギャラリーの門戸を閉ざしてしまった。

下の写真は画集から失敬したRoom2の北面の壁だけど、作品はもちろん飾り金具(この世界は深い! 過去の関連記事 )や家具、調度品に至るまで、全て左右対称にこだわったレイアウトになっている。

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作品の大きさやプロポーションも左右で概ね揃えてあるけれど、もちろん多くは額装などで多少の調整をしているようだったけれど、どうやって集めたのか疑問に感じさえするようなもの、例えば異なる時代の異なる作家なのに同じサイズとか、もあった。もしかして切ってそろえた?うーん、ありえるかも。

そしてこちらは、各部屋(全32室)に置いてある解説リーフレットを冊子としてプリントしたもので、ショップで売られていたもの。全部屋分をそろえると画集がいくつも買える値段になるので、お土産としてメインホール編だけ買ってきた。小さな金具にもちゃんと解説が入っているのがうれしい。東面の壁の中央上段には、かのセザンヌの水浴図がある。

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こういったレイアウトはもちろんDr.バーンズによるもので、それを指示した当時のメモがショップの紙袋にプリントされていた。

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そしてそれは、訪れるまでその意図がわからなかったが、バーンズ財団のシンボルマークのデザインにも適用されている。

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2016年5月23日 (月)

複雑系自転車

アレックス・モールトンという自転車は、マニアには有名らしい。冠する名前はUKのデザイナー兼エンジニア兼ファウンダー。ちょうど今月、青山でモールトン展というのがあるそうだ。そんなモールトンが、ノーマンフォスターの展覧会( 過去の関連記事 )で本人が愛用しているとのことで会場の片隅に展示してあった。細いロッドを複雑に溶接した機械の一部かようなフレームが特徴的で、そう、確かに彼の建築のような雰囲気を持っている。

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2016年5月18日 (水)

ミュージアム巡り171 モード

先に紹介したパリの「装飾芸術」ミュージアム( 過去の関連記事 )と同じ建物にあって、実は今になってはその境界があいまいなのだけど、この Musee de la Mode et du Textile というファッションやモードに関するミュージアムは、さすがはパリだけあって力が入っている。おそらくその道の方々には有名なところなのかもしれない。

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とても男性の服とは思えないようなかわいさは、さすがフランス文化。仕立てる前の生地はこんな感じで刺繍も凝りまくり。ボタンも同じ布からとられているのがわかる。

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もちろん女性のファッションも充実。女性を美しく彩るという文化はグローバルだけど、そのトレンドの中心にいつもパリはいる。

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サンローランやディオール( 過去の関連記事 )などなど、フランスを代表する近代のファッションデザイナーたちの展示も充実している。

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2016年5月13日 (金)

シュール

シュールレアリスムの画家、キリコ。ジョルジョ・デ・キリコがフルネームなのでデ・キリコと呼ばれることが多いようだ。ちなみに能登にはキリコ祭りというのがあるが、全く関係はない。そんなことを言うと、江戸キリコや薩摩キリコだって黙っちゃいないが、もちろん関係無い。なぜかイタリア人だと長らく思っていたのだけれど、調べてみるとギリシャ人だった。イタリアに移住して、ミュンヘンの美大を出たらしい。モランディ( 過去の関連記事 )とも親交があったようで、そういえばボローニャの回廊ポルティコに似た風景が彼の絵に登場するけれど、何か関係があるのかもしれない。

そして彼は彫刻も作っている。これは横浜美術館の常設になっているブロンズで、場所をあちこち変えながらも比較的展示されていることが多いので、お馴染みの作品となっている。卵のようにつるっとした頭に鹿のヒヅメに似たつま先の奇妙な人体像で、古代の戦士のような恰好は特別な物語を示唆しているに違いない。確かに彼の絵画作品には、質感こそ違えどこのモチーフがしばしば出てくる。何か表現したい意味があるのだろうけれども、シュールすぎてさっぱりわからない。

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2016年5月 9日 (月)

充電器

充電器、とは言っても車用。プラグインのEVが増えると、車に閉じるだけではなくトータルな経験価値として充電する行為もデザイン品質として問われる、ということなのだろう( 過去の関連記事 )。こちらの充電ステーションはポルシェ様( 過去の関連記事 )。

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そしてこちらは同じくドイツのBMW( 過去の関連記事 )。

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この板を曲げたようなデザインは、どうやらEV本体のスタイリングの造形言語を共有しているようだ。( 過去の関連記事

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2016年5月 4日 (水)

ミュージアム巡り170 装飾芸術

あまり知られていないと思うけれど、ルーブル美術館( 過去の関連記事 )と同じ一連の建物内に Musee des Arts Decoratifs という、文字面ではアールデコ、訳せば「装飾芸術」に関するミュージアムがある。いわゆる20世紀初頭に一世を風靡したムーブメントであるアールデコと同じ意味ではあるけれど、ここの展示では広く装飾芸術と捉え、ロココあたりから近代に至るまでの家具や雑貨などあらゆるものを展示している。

ということでインテリアコーナーは、いきなり最初がコレです、どーん。

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あそらく玉座的なものだろう。そして、ん、これは?何だ、ソファベッド?

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やっぱりイスの世界は相変わらず奥深い。様々な様式があるのがわかる。

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しかし本当にカワイイものが好きなんだね、フランスって。

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時代が下がればこういったものも出てくる。アールデコ調の応接セットというか、趣味の悪い金持ちの社長のデスクみたいな感じ。ピアノフィニッシュなので毎日磨かないと埃が目立つだろうな、これは。

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もちろんモダンなインテリアもある。こちらはコルビジェのシェーズロングのフレーム部分。こうやって見ると「休息の為の機械」と自ら名付けた理由がわかる気がする。( 過去の関連記事

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食器や茶器の好きな方には興味深いであろうコレクションも充実している。こちらはかわいい花模様のティーポット。( 過去の関連記事 )下にある爬虫類系の脚がついてるのはウォーマーだろう。上にあるのは、たぶん茶こしかな?

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そしてこれらは機能的意味はもはやないので食器とは呼ばないのだろう。

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こちらはガラスウエアのコーナー。絵柄が少ないだけでずっとモダンになる。

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置時計だってデコらない理由はない。スイスで似たようなものをたくさん見たことがある。( 過去の関連記事

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宝飾品や装身具も多い。これはもしかして元祖 Zippo?

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