« 2016年6月 | トップページ | 2016年8月 »

2016年7月

2016年7月27日 (水)

ミュージアム巡り181(US編) 黒人文化

スミソニアンの19番目のミュージアムが、今年まさにオープンしようとしている。アフリカン・アメリカン博物館 African American history & culture museum 、だ。先に紹介したアメリカ歴史博物館( 過去の関連記事 )にある黒人文化コーナーを移転、拡大するもので、奴隷や差別の歴史からポップカルチャー、そしてジェイムス・ブラウンの衣装といったものまで幅広く展示されるようだ。

Dsc07537_r

設計は David Adjaye とPhilip Freelon というアフリカン・アメリカンの建築家ユニットだそうだ。逆テーパーの幾何学的な立体が積層された造形に対し、細かな模様がぎっしりと透かし彫りされているというユニークな建築となっている。

Dsc07541_r

そして目の前には、ワシントン・モニュメントがどーん。欧州のあちこちに見られるオベリスクを模しているのだろうけれど、米国の基層が欧州にあることを暗示しているように感じられる。そういう意味で、あえてこの立地にアフリカ由来の文化のミュージアムを、しかもモニュメンタルなデザインで建造したということを、私はメッセージとして受け止めたい。

Dsc07549_r

| コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月22日 (金)

ミュージアム巡り180(US編) 回廊

スミソニアンのHirshhorn museum は、名前を冠する実業家の個人コレクションがベースとなっている。他のミュージアムに比べると小振りながら、シンプルでモダンな外観はアイコニックだ。設計したのはGordon Bunshaft という、米国のプリツカー受賞者のひとりだそうだ。

Dsc06824_r

中央はドーナツ状に大きく吹き抜けていて、1階部分はピロティになっている。この軽快で未来的なデザインが、とても40年以上前のものとは思えない。

Dsc06833_r

ここはモダンアートが中心のコレクション。ドーナツ状の回廊をぐるりと回って見てまわることになる。外壁に沿って曲面になっている内壁にはペインティングが。

Dsc06829_r

と思ったら、公開製作中だった。しかも画材はペン一本!がんばれ、壁は長いぞ。

Dsc06828_r

| コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月18日 (月)

カワイイ看板

こちらは昨年、フランスで見かけたレストラン。壁に掛かった看板には、よくある獅子文様かと思いきや、ネコ?しかも魚のようなものを持っている?ということはシーフードのレストラン?さすが何かとカワイイものでは高レベルのフランス、同じ欧州であっても他国とはひと味ちがう( 過去の関連記事 )。

Dsc04671_r

| コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月13日 (水)

ミュージアム巡り179(US編) アメリカのプロダクト

スミソニアンのアメリカ歴史博物館 National museum of American history は、アメリカ400年の歴史を網羅的に紹介する展示だ。ざっくり言うと、欧州の社会文化の持ち出しから始まり、戦争に次ぐ戦争の歴史、そして近代になって開花した独自のテクノロジーとカルチャー、といったところだ。多様な側面があっていろいろ感じることもがあったが、このブログではプロダクトの歴史にフォーカスしたい。

まずは「発明王」エジソン。単に電球を発明しただけでなく、それを大量生産するしくみと、そのための発電と送電のしくみを考えたところがすごい。今で言う起業家の元祖なのだろう、彼は後にGEとなる会社の創業者でもある。

Dsc07214_r

そして数々のトースターたち。様々なメーカーが、あの手この手の焼き方を提案している。朝、手軽にトーストを焼くことを当時の主婦が切望していたということなのだろう。

Dsc07302_r

これは鉄の扇風機たち。どれも重たそうで暑苦しい。そんな中で奥に見えているGEの扇風機なんかは、デザインという意味で相当に目を惹いたに違いない。まさにプロダクトデザインが経営的にも重要になっていく時代だ。

Dsc07303_r

そしてこれはドライヤー。机上に置く形が基本で、手でも一応持てる工夫がされているように見えるけれど、それでも重かったのだろう。

Dsc07300_r

蒸気機関車の歴史は、もちろん英国が先輩。それでもアメリカ大陸に持ち込まれてからは、独自の進化をしたとのことだ。しかも広大な土地に路線のネットワークを作るとなると、大量のレールを生産しなければならなかった。そこで活躍したのが「鉄道王」かつ「鉄鋼王」と呼ばれ、後のUSスチールの礎を築いたスコットランド移民のカーネギーだ。

Dsc07281_r

車の歴史についても欧州が先輩。しかし「自動車王」ヘンリーフォードが確立した流れ作業による大量生産システムによってT型フォードが生まれ、低価格化して爆発的に大衆に広がっていった点がアメリカ的である。

Dsc07287_r

時代は少し下るが、映画にもなった幻のタッカーも展示してあった。輝く三つ目が個性的だ。

Dsc07209_r

アメリカのパーキングメーターは、最近までこんなだったなあ。

Dsc07283_r

そして今回、Patent model (特許模型)という分野があることを知った。こちらは風車の特許申請用模型。この手のものはアンティークのコレクションとしての対象になっているに違いない。これは欲しい。

Dsc07217_r

こんなコーヒーのフタも、収集すればミュージアムに展示できる。これも特許回避によるバリエーションと考えると、商業的でアメリカ的。これは欲しくない。

Dsc07267_r

そして商業キャラクターたちも、米国文化の一端と言っていいいと思う。このMr. Peanut はスナックの会社の歴史的キャラクターで、今でも現役。

Dsc07213_r

テレビ番組だけど、Sesami Street も多くのキャラクターを生み出した。こちらは小柄なエルモ。個人的にはクッキーモンスターが好きだけど。

Dsc07247_r

そしてこれは、世界最初のマウス、ですと。プロトタイプなのだろう、なんと木製だ。

Dsc07195_r

そしてマウス(ネズミ)とネズミ捕りの歴史っていう、真剣なジョークもアメリカ的。

Dsc07188_r

| コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月 8日 (金)

ミュージアム巡り178(US編) 先住民族

ワシントンのスミソニアン博物館群の続きは、アメリカのインディアンについての博物館 National Museum of the American Indian。欧州からアメリカ大陸への入植が増える17世紀以降、彼らは多くの先住民族を追放あるいは虐殺して土地を奪っていったことは、残念ながら隠しようのない事実だ。しかもその数たるやアメリカ大陸全体では数万人レベルではなく何千万人にも及ぶという。この歴史を確実に残し彼らの文化を伝承していくのが、この博物館を作ったモチベーションに違いない。

Dsc06804_r

うねるような曲面を持つ独特のデザインの建築はインディアンの建築家によるもので、彼らの思想が取り入れられているそうだ。

Dsc06806_r

その内部もやはり、うねっている。広い空間ではあるものの、ここでは展示そのものはそんなには多くなく、むしろワークショップやアクティビティなどのスペースに多くのスペースを割いている。

Dsc06809_r

このかわいい模様のカゴはインディアンの手工芸。このようなバスケタリーは人類共通のプリミティブな生活民具として世界中どこにでもあるので、逆に地域ごとの材料や編み方、模様や形などの差異に注目すると興味深いものがある。( 過去の関連記事

Dsc06819_r

こちらは東海岸の部族による、小さな貝をビーズにして編んだベルト。アメリカ建国間もない頃のものだけど、彼らにとって新しい文化であったろう数字やアルファベットが表記してある。

Dsc06818_r

この木製のカヌーの表面には樺の樹皮のようなものを使っている。北東部の落葉広葉樹の森の部族のものだ。静かな河川や湖沼で複数人が移動する目的のカヌーだろう。

Dsc06815_r

北方のイヌイットたちの使っているカヤックはシャープでモダンな印象。アザラシの皮を張った、耐水性があって超軽量な一人乗りだ。実際にスピードも出るに違いないが、もちろん狩猟などの要求に基づいて進化したものなのだろう。

Dsc06813_r

| コメント (0) | トラックバック (0)

2016年7月 4日 (月)

サント・ヴィクトワール山

サント・ヴィクトワール山 Montagne Saint-Victoire は、セザンヌが何枚も描いたことで知られる、彼の故郷である南仏エクス・アン・プロバンス Aix-en-Provence にある岩山だ。

こちらはフィラデルフィア美術館で見たもの。( 過去の関連記事

Dsc07157_r

何年か前にエクスの街に滞在した際に、セザンヌのアトリエが残されているというので見に行ったことがある。町はずれの坂道の途中の、静かな木立の中にひっそりと佇んでいた。彼はパリでの創作活動のあと、故郷に戻ってこの静かなアトリエで多くの静物画を描き、そして屋外に出てはサント・ヴィクトワール山をはじめとした風景画を描いていた。

R0019748_r

そのアトリエの近くにある丘から眺めたサント・ヴィクトワール山がこちら。先ほどの絵も、おそらくこのあたりから描いたに違いない。決して大きな山ではないけれど、裾野が広くてどっしりとした、不思議な存在感がある山だ。この子供の頃から親しんだ風景をセザンヌは独自のモチーフとして選び、そして自らのアイデンテティかのように飽くことなく描き続けた。

R0019840_r

| コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年6月 | トップページ | 2016年8月 »