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2017年5月 3日 (水)

ラスコー

フランス南西部にあるラスコー洞窟は、クロマニョン人(実にフランスっぽい名前だ)が2万年前に壁画を描いたことで有名だ。その珍しい展覧会が上野の国立科学博物館で行われた。

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壁画は、1940年その洞窟に「落ちた」飼い犬を探していた少年が偶然発見したそうだ。今では高松塚古墳のように損傷が激しくなったので保存の為に閉鎖されているが、この展覧会では3D測定したデータをもとにミニチュアで再現されていた。洞窟という言葉からイメージするような山の中腹に水平に大きく空いた穴ではなく、地面から地下に向かって降りていく複雑にうねった狭い空間だ。そう、少年の犬は「落ちた」のだ。

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そして3Dでミリ単位でリアルに再現した壁画が展示されていた。洞窟を模した暗さと狭さを演出していて、まさにエクスペリエンスだ。

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地下に複雑に入り組んだ洞窟の、その暗黒の奥深くにかがり火を頼りに潜っていった、そのモチベーションは一体何だったのだろうか。決して人に見せるためのものではなく、ましてや遊びや気まぐれなどではなく、特別な理由と明確な意図と固い決意が無ければ実行しなかっただろう。動物が多く描かれていることから、狩猟の成功と豊猟に対する「祈り」というキーワードが説明に使われていたけれど、本当にそうなのだろうか。

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彩色された壁画も、よく見るとアウトラインが線刻されていることがわかる。そして現代的な素描のような線画もある。これは川を泳いで渡る鹿の群れ、と解説にあった。2万年前ですよ、これ。

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トリ人間と呼ばれている横たわった像も描かれていて、その傍には鳥がデザインされた「投槍器」という槍投げをエンパワーする補助具が落ちている。確かにこれは、様々な推測や学説を生み出すに十分なストーリー性を持っている。

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