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2018年2月26日 (月)

ドイツ的感性

二次大戦前のアメリカ東海岸で生まれ育ったワイエス Andrew Wyeth。ドイツ系移民の家系で、実際に絵の中でもドイツ系の人たちや彼らのライフスタイルがモチーフとして登場する。彼の描く風景はペンシルベニア州やメイン州の寂しい風情のものが多いけれど、その深いところにはドイツ的な感性が流れているように感じる。

下の写真は Washington National Gallery ( 過去の関連記事 )にあった作品で、それこそメイン州の何気ない風景かもしれないが、まるで長編映画のワンカットのごとく前後にストーリーがあるように感じてしまう。荒野のように広がる殺風景な風景の不穏さ、轍(わだち)が示唆する外界とのつながり、ディテールを追って見ると決して豊かではないであろうことに気付く部屋。そこへ吹き込む乾いた冷たい風を、彼は驚くべき緻密さで描いたカーテンのダイナミックな動きだけで表現している。その激しくはためくカーテンの裾はレース模様を大胆に省略して描いていて、これが現代絵画であることに気づかされる。

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