2018年10月22日 (月)

ベルトイア

アメリカへ移住したイタリア人デザイナー、ベルトイア。イームズと共にミッドセンチュリー時代の家具デザインを牽引したひとりだ。彼の代表作はワイヤーを駆使したチェアが知られていて、写真はそのうちのひとつ。

金網のようなものをプレスしたんだろうな、くらいにしか思ってなかったが、ロッド1本1本を三次元形状に曲げたものを溶接して組み上げられている。ベルトイア自身が金属加工のエキスパートでありアーティストでもあったそうなので、なるほど納得がいく。彼のアート作品も気になるので、いつか見てみたい。

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2018年10月 8日 (月)

野菜の森

床に落ちる影がまるで木漏れ日のような、詩情あふれるこのガーデンチェアは Vitra製。表参道のけやきの樹影を模した伊東豊雄のTod'sビル( もうひとつのブログから )を想起する。きっと同じように森の木々をモチーフにしたんだろうな、と思いきや名前は「ベジタブルチェア」。なんで?キャベツとか?

このチェアは前脚こそ座面と一体成型になっているものの、何かしら金型設計的な理由があったのかもしれない、よく見ると後脚は別パーツになっている。そして複雑な形状ながらも、スタッキングできるように模様の穴の位置を工夫しているところがエラい。

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2018年9月24日 (月)

調理家電

食材を熱で調理する。それは火を獲得してからの人類にとって、工夫に工夫を重ねていくチャレンジの連続だった。材料に応じて様々な調理器具を発明しては、様々な燃料を駆使し、火力を調節し、煮たり、焼いたり、蒸したり。そしてその技術の追求は、今も終わることなく続いている。

日本では、マイクロウェーブを使わずに「加熱した水蒸気」という、ローテクのようなハイテクを使ったシャープのヘルシオが、今では量販店の一画を獲得しているのはご存知の通りだ。一方、欧州にはフライヤーという日本ではあまり見かけない(と思いませんか?)調理家電があるけれど、こちらの写真は油を使わないフライヤー、その名もノンフライヤーという製品。熱風でフライと同等の調理ができるそうだ。ん?ローテク?ともあれ、これから先どのような調理器具が生まれていくのだろうか。

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2018年8月31日 (金)

折り紙

デンマークの Klint 社による、有名な折り紙ライト。彼らはこれを Folding ではなく Pleating と呼んでいるようなので、折り紙というのは正しい表現ではないかもしれない。確かにこのくらい曲線を多用するというのは、折り紙の領域を越えた職人技が必要に違いない。

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デザインによっては、かなりの大きさのものまで作っている。

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こちらは初めて見るが、新作なのだろうか。不透明のシェイドの内側に折り紙が仕込まれていて、光が程よく柔らかくなっている。

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かつて訪問したコペンハーゲンの博物館の中にあった図書室にも、このシリーズは当たり前かのように使われていた。よほど彼らの感性に合っているのだろう。

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2018年8月22日 (水)

ケアホルム

とある美術館にあったポール・ケアホルム( 過去の関連記事 )がデザインした PK22。革張りもカッコいいけど、この籐編みのモデルもさっぱりしてて素敵な仕様だと思う。大人になったら買いたいと思っていたけど、いい大人になった今でも手元に無いプロダクトのひとつだ。Fritz Hansenだと一脚50万円くらいするはずなので、やはり値段もネックなのかもしれない。中国製のジェネリックだとたぶん10分の1くらいだろうけれど、溶接とか編目とか見る人が見ればわかるんだろうな。

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2018年8月17日 (金)

逸話という価値

浅草から隅田川の対岸を見た風景は、個性を競う建築ばかりの支離滅裂感がどこかアジアっぽく感じる(まあアジアだけど)。今となっては上海か深センあたりの風景と変わらない、なんて言ったら中国に失礼だ、逆に見劣りするほどになった。

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右下に見えているのはバブルの象徴、スタルクのデザインしたアサヒビール本社のオブジェだ。最近のクリーンアップによって本来の輝きを取り戻している。

昔から「金のウン〇」とヤユされているが、自分は同じウンでもどちらかというと孫悟空が乗ってるようなキント雲を昔から想起する。でも実はクライアント企業の情熱を表す flamme d'or すなはち炎とのことだけどね。建築的にこれをつくるのは当時の技術では困難だったのを、造船会社に頼み込んで作ってもらった、という逸話を覚えている。

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今でこそシンプルなデザインが多いスタルクだけど( 過去の関連記事 )、当時はポストモダンの旗手とも言える存在で、尖がったアートっぽい作品を量産し続けていた。下の写真のレモン絞りも、同時期の彼の代表作。こちらは彼がバカンスで滞在していたリゾートで、食事中にレモンを絞っていて閃いて、紙ナプキンにスケッチを描いてALESSIに送ったという逸話がある。彼の作品は逸話が価値でもある、ということか。

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2018年7月25日 (水)

クールなチェア

モダンなSANAA建築にもマッチする涼しげなゴーストチェアは、スタルクのデザイン( 過去の関連記事 )。その存在感の無さは、高い透明度のポリカーボネイト樹脂、そして何よりKartellの成型技術のおかげ。イタリアの金型職人のレベルは高い。クールだ。

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2018年7月20日 (金)

勝利のスマイル

堂々と「勝利」という名を冠したバイクの会社、Triumph。英国地場産業的なブランドかと思っていたが、Wikiによるとドイツ人がUKで起業した会社だそうだ。しかも二次大戦中には軍事車両をつくっていたこともあって、ドイツ軍の空爆により壊滅状態になったという皮肉な歴史もあるそうだ。

ところで Triumph という同じスペルの女性下着ブランドがあって(日本ではトリンプと読むそうだけど)、何とこちらもドイツ発祥だそうだ。ドイツ人にとって、この Triumph という単語に対する強い思い入れ、あるいは深い歴史的な意味合いがあるのに違いない。

さてバイクの Triumph の話。写真は同じくUKの Paul Smith とのコラボレーションモデルで、明るいマルチカラーがいかにもそれっぽい。ロゴはRの先端が伸びていて Amazonっぽくスマイルマークのようだけど、このデザインのディテイルは微妙に歴史的変遷があるようだ。マニア、あるいは鑑定家が見れば、これは何年製なのか分かったりするのだろうな、やっぱり。

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2018年7月11日 (水)

without thought

ドイツからオーストリアを抜けてブレンナー峠を越えると、そこはもうイタリアだ。かつてゲーテが「イタリア紀行」で通った道。そして近くには美しい山塊で有名なドロミテや、その麓の街 トレント( 過去の関連記事 )がある。私もミュンヘン時代には、何度も通った道だ。

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ところでこちらの  ふつうな   シンプルなスツールは、そんな美しい地域の小さな町、ボルツァーノに本社を置くPLANK社によるものだ。

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スツールを動かす際に、自然と指が掛かるちょっとした工夫が座面の裏に施されている。そしてレーザーで刻されたブランドの上には小さく深澤直人の名前が。まさに without thought なデザインだ。( 過去の関連記事

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そしてシンプルな佇まいを成しえる重要なディテイルが、このシルバーのリング。しかもネジを穿つような野暮なことはしていない。足を乗せるので耐荷重が必要なはずだが、いったいどうやって固定されているのだろう。デザイナーのアイディアが隠されているのか、あるいはイタリア職人のなすワザなのか。「高いレベルで普通であること」は、決して簡単なことではない。

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2018年6月18日 (月)

硬派

この渋いパッケージに書かれている Kaweco というブランドは、日本ではあまり知られていないけれど知る人そ知るドイツの筆記具メーカーで、カヴェコと読む。前に紹介した LAMY( 過去の関連記事 ) と同じハイデルベルグ創業とのことだけど、モダンな LAMY と異なってクラッシックなイメージを残している。ここは是非、硬派のまま突っ走って頂きたいところだ。

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