2017年5月26日 (金)

モディリアーニ

パリで活動したイタリア人、モディリアーニ。昨年に来日していたこの作品は、その平面的な表現のせいか、それとも極端にデフォルメされた「なで肩」のせいか、何となく和風に感じる。昔、事務所にいたMさんにそっくりだ。

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あたかも仮面の目の穴のように描く彼の作風には、いったいどういう意図があったのだろうか( 過去の関連記事 )。日本人は目から、しかし欧米人は口元から相手の表情をつかみ感情を伺うと聞いたことがあるが(サングラスをかけた人に不安を感じるのは日本人だけ?)、彼の絵を見て我々が覚える不安感の理由は、まさにそこにあるのかもしれない。

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そしてこの男性像は、乾いた空気感や地中海的な色味がイタリアっぽい。事務所にいる若手のM君にそっくりだ。

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2017年5月22日 (月)

リュトン

上野の東京国立博物館に展示してあった、中近東で発掘されたという紀元前の土器。造形的にも完成度が高いので驚きだ。持ち手が付いているけれど、コップだとしたらどうやって飲み物を入れて置くのだろう、もしかして酒を注がれたら置くことを許されないで飲み続けるしかないヤツ?と思って調べてみると、どうやらこれは儀式用の器で神聖な水(あるいは酒?)を入れるとヤギの口から流れ出るように穴が空いているとのこと。リュトンと呼ぶらしい。諸説あるそうなので興味のある方は調べてみては?( 過去の関連記事

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2017年5月12日 (金)

水浴

セザンヌは水浴の絵を何枚も描いている。女性の水浴図は、昨年見たバーンズやフィラデルフィアのもの( 過去の関連記事 )にあるようにユートピアを表していると言われている一方、男性の水浴図の場合はセザンヌ自身の幼少期の原体験がモチーフとなっていると言われている。こちらの写真はデトロイト美術館が保有する正方形の小品で、昨年末に上野に来ていたものだ。背景に描かれている緑が濃くて青くて美しいのは、やはりエクス・アン・プロバンスの情景なのだろうか。( 過去の関連記事

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一方、横浜美術館の常設コーナーにあったこのリトグラフは、さっぱりとしてはいるものの男性の群像であるのに加えてポーズや構図が上記作品に少し似ている。おそらく同じ時期に描かれたものなのだろう。

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2017年4月24日 (月)

猫の親子

以前行ったルーブル美術館の、エジプトアートのコーナーで見つけた猫の親子。当時猫は害獣駆除の家畜であり、愛すべきペットであり、家を守る神であった。

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こちらも猫の親子のフィギュア。二匹の子供が礼儀正しく乳を飲んでいる。猫好きだったんだろうなあ、愛情たっぷりの表現だ。

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2017年4月19日 (水)

ミュージアム巡り191 ダイナミック

久しぶりのミュージアム巡りはアメリカ編になってしまうが、サンフランシスコの SF MOMA というミュージアム。NYのMoMAとは関係が無い。この建築のオリジナルは巨匠マリオボッタで、マリオベリーニ( 過去の関連記事 )同様に私にはバブル期のポストモダンの空気を感じてしまう。90年代にオープンしたての頃に何度か来たので、当時の時代感が強烈に染みついているからなのだろうけれど。彼は、マリオという名前からも建築の作風からも勝手にイタリア人だと思い込んでいたのだが、調べてみるとスイス人でイタリア国境近くの出身だそうだ。

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サンフランシスコのダウンタウンの、しかも混みいった地区に立つこの美術館は、なかなか全体像を俯瞰することが難しい。唯一、同時期に作られた隣接する公園から正面を見通せるようになっている。その特徴になっているストライプ模様で円筒形になっている部分は、ちょうどエントランスホールの吹き抜けになっていて、そこから見上げるとこんな感じだ。

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そこにぶら下がっているのは、アメリカの現代彫刻家カルダーの巨大なモビール。やはり彼のダイナミックな作品は、こういった大きな空間にこそ似合う。( 過去の関連記事

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この美術館は昨年、建物の奥にあたる部分を増築している。北欧の建築設計事務所 Snøhetta (スノヘッタと読む)による、ちょっと変わったファサードだ。

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うねってる、というかシワがよっている感じ。これは図面化は不可能で、3Dデータなしでは実現できなかっただろう。マリオボッタの本館が構築的な印象なのに対して、こちらは流れるようなダイナミックさをアンチテーゼとしたのかもしれない。

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その新館部分の裏口にあたるロビーにあった巨大な鉄板彫刻は、Richard Serra というアメリカのアーティストの作品だ。これもダイナミックに渦巻いているのは、やはりコンセプトに従ったのだろうか。

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2017年3月31日 (金)

ポンポン

パリの骨董店のショーウインドウで見かけたこれは、フランソワ・ポンポン風?まさか本物ではないと思うけれど、カッコいい。

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ところでウインドウ手前に写っている、欧州ではよく見かけるシャッター的なものは、巻き上げると下の写真のようになる。鎖のように硬いけれども柔軟性があるという構造が、古いのだろうけど不思議と魅力的に感じる。

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2017年3月 3日 (金)

ドイツ的

ドイツで有名な現代の写真家と言えばグルスキー( 過去の関連記事 )、そしてトーマス・ルフだろう。そしてもう一人、給水塔の写真で有名なベッヒャー夫妻(旦那さんは近年亡くなられている)は、この二人の恩師だったそうだ。全ての写真家の作品には共通する、どこかドイツ的な雰囲気のようなものを感じる。空気感と言えばいいのだろうか、それは光や影のせいなのか、深度というか奥行き感のようなものなのか、あるいは伝わってくる湿度なのか、それをうまく説明できないけれども。

こちらの作品はトーマス・ルフの企画展から。昨年あった都内の展示を見逃したけれど、年明けに金沢の巡回展で見ることができた。

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彼は写真の意味を拡大的に解釈していって、様々なメディアやテクノロジーを駆使した作品なども制作している。まさにモダンアートの領域だ。

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2017年2月27日 (月)

数字の森

エマニュエル・ムホーという、東京で活動するフランス人女性の建築家によるインスタレーション。広い展示空間がカラフルな数字で埋め尽くされて、まさに数字の森。トンネル状に中に入っていけるようになっていて、その迫力を体全体で感じることができる工夫なんかはさすが建築家だと思った。年度末も近いこの時期、数字にはうんざりで見たくもない人は多いのかもしれないけれど(特に赤い数字とか)。

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数字は奥行き方向にグラデーションになっていて、歩いていくだけでもその変化が楽しめて飽きることが無い。どれも艶消しで、しかも彩度を抑えた独特の色調で、これが彼女の個性なのだろうと思った。

近くで見るとカットされた数字が紐でつながれて吊り下げられているだけだけど、その数なんと6万枚とのこと。絡まったり順番を間違ったりしないよう、その作業の手間を考えると気が遠くなる。

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2017年2月 8日 (水)

スリップウエア

英国の民藝民器、スリップウエア( 過去の関連記事 )。これらはアーティストの村上隆によるコレクションの一部で( 過去の関連記事もうひとつのブログ )、すべて18~19世紀あたりのアンティークだ。下のものは泥状の釉薬をダーと一気呵成に一筆書きのように絵付ける典型的な模様で、浜田庄司の作風なんかにも強い影響を与えている。

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こちらは和風のように感じるどころか、見方によっては漢字なのかとも思えるような模様だ。

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そして、持っている本の表紙の写真とも良く似たスタイルだった。

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この指で掻いたような模様も即興的で面白い。

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こちらも4本の注ぎ口のある容器から流したであろう釉薬の模様。普段用の食器だから、下手とか上手いとか関係ない世界。

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こちらは同じような容器を使ったであろう模様を、直交するように引っ掻いて格子状の模様をつくっている。こうなってくると我々には、お好み焼きに掛けたマヨネーズにしか見えない。先ほどの本にも説明があったけれど、これらはピザ状の粘土板に模様を絵付けてから皿状に成型して、最後に周囲のエッジをカットして作るそうだ。

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2017年1月 1日 (日)

今年もよろしくお願いします。ということで、酉年とのことなので、それらしい写真を探してみました。これは鶏なんだろうか、自信がないけれど、フランスのB&Bの食卓にて。

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そして飛ばない鶏はただの鶏だ、ということで flying chicken。空き缶で作られているのだけど、こう見えてもモビールの大家、カルダー( 過去の関連記事 )の作だったりする。ワシントンDCの The Phillips Collection から。

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