2018年2月16日 (金)

謎のポートレート

気になるポートレート、作者不詳。ポールスミスのコレクションの中で見つけたものなので、UKのアーティストなのかもしれない。そして今頃、どこかの店舗の壁を飾っているのかもしれない。

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これもたぶん、同じアーティストによるもの。もしかして未完成の作品、いや大きさからみてエスキースなのかもしれない。シンプルな面表現にも関わらず、何だろう、この重たい雰囲気は。

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背景の描き方、というか描かずにそこにある空気、いやむしろ気、を表現している様もまたこの作品に奥行きをもたらしている。うーん、「気」になる絵だ。

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2018年2月 2日 (金)

文字のチカラ

アルファベットでできた立体のディスプレイと遭遇した。おそらくレーザーカットされたボードなのだろう、デジタルのようなアナログのような、何とも不思議な存在感がある。そしてなぜか怖い感じがするのは、覆っているものが文字だからだろうか。( 過去の関連記事

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2018年1月19日 (金)

マスターズコレクション

最近 Louis Vuitton はマスターズコレクションということで、100年以上前の絵画作品をモダンアーティストの Jeff Koons が模写し、それをプリントしたバッグなどの商品を出している。昨年はモナリザがあったが、こちらは新作のターナー( 過去の関連記事 )。

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そして、こちらはマネの草上の昼食。その他、モネやゴーギャンもあるようだ。19世紀末の絵画がテーマなのかと思えばブーシェのような古いものもあるし、フランス絵画のシリーズかと思えば英国のターナーもあるし、アーティストの意図が全く読めない。それを含めて、芸術作品を模写してプリントして大量生産して高く売るという活動自体が、もしかするとモダンアートなのかもしれない。

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2017年12月22日 (金)

森の国のクリスマス

皆さん、撮りますよ~、こっち向いてくださ~い!っていう感じの彫刻。右下に幼きイエスキリストがいる。これはワシントン・ナショナルギャラリー( 過去の関連記事 )で見つけた、中世の南ドイツの木彫。

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ちなみに正面から見るとこんな感じ。みんなバラバラ、好き勝手なことをしている。もちろん教会の祭壇に置かれていたものだろうから宗教としての主題に基づいた創作なのだけど、加えて人間としての表現が実に豊かだと思いませんか?これにはルネッサンスを生んだ人間性を回帰しようという時代的背景と、ドイツの田舎町という地域的な背景、そしてそこの深い森が育んだ精神文化と工芸技術が重なって生まれたのだろう。( 過去の関連記事

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2017年11月24日 (金)

イズム

このネオンアートのメッセージは、「なんとかイズム」とひとくくりにされることに対する批判なのだろうか。アーティストが作品を発表するということは、即ち世の批判にさらされるという運命にあるのだろう。どんなに頑張って新しいスタイルをクリエイトしたとしても大雑把に他人の作品と同じグループにカテゴライズされてしまうというのは、アーティストにとっては苦痛なのかもしれない。

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2017年11月10日 (金)

難民

ここ数年で、中東から数百万人もの難民が欧州に押し寄せる事態になってしまった。しかもあっという間に。その対応の違いからEU各国の溝を深めてしまっていることは報道にあるとおりだ。

そして、地中海を決死の覚悟で渡ってきた難民たちが実際に身に着けていたライフジャケットを素材としたインスタレーションが、横浜美術館のファサードを覆っていた。これは中国の、今では社会派アーティストと呼んでもいいだろう Ai Weiwei によるもの。

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これを身に着けた人は家も財産を失い、場合によっては家族をも失い、決死の渡航に高額の報酬をブローカーに搾取され、命かながら逃げて欧州にたどり着いている。それぞれ今、どこでどんな生活をしているのだろうか。

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そこで使われたゴムボートも、丹下建築のファサードに容赦なく並んでいる。その後ろにそびえ立つ墓石とも揶揄されたランドマークタワーの無機質なデザインと、この命のシンボルとなった赤いゴムボートとのアイロニカルなコントラストも、アイウエィウエィの狙ったところなのだろうか。

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2017年10月23日 (月)

ローランサン

マリー・ローランサンと言えば、グレーにピンクといったパステル調のかわいい作品が想起されるが、そんなイメージどおりの絵と数年前、絵画はあまり置いていないはずのパリ装飾芸術美術館( 過去の関連記事 )の一画で、ポツンと壁に掛けられているのに遭遇した。その時の一枚がこれだ。

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若い頃に見に行った蓼科高原のマリー・ローランサン美術館がいつの間にか閉館になっていて、今年の夏に赤坂のニューオータニ内で再開された。実は先日、たまたま近くの会社で所用があったので、毎度のごとく閉館間際に駆け込んだ。それでふと、この絵のことを思い出したわけだ。

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あまり彼女の生い立ちを知らなかったのだけど、赤坂の美術館の解説によるとパリでブラックやピカソ( 過去の関連記事 )らアーティスト達との親交の中で画家のキャリアをスタートしている。詩人アポリネールとも恋仲だったとの記述もあった。しかしその後、ドイツ人と結婚した頃に運悪く一次大戦が始まって、フランスにいられなくなって亡命生活となってしまった時期の作品は実に暗く、まるで別人の作風だった。戦後に離婚してパリに戻った頃から、時代の風潮もあったのだろう、彼女のカワイイ作風が炸裂している。そして老年に至るまでずっと、そのスタイルで作品を制作し続けた。

同世代の東郷青児もそうなのだけど、見方によっては作風がイラスト調、悪く言えば大衆的で、世間のアートの評価軸とは少し異なる世界に感じられる。これは、おそらく彼女の作品が高く評価されてこなかった理由のひとつなのかもしれないし、逆にカワイイものが好きな日本人に受け容れられやすかったのかもしれない。現にこの美術館は、ローランサンのコレクションでは世界最大だそうだ。

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2017年9月15日 (金)

公開制作

ギャラリーの一室がそのままアート作品になっているこれは、教室をモチーフにしたのだろうか、あるいは教育に対する何らかのメッセージなのか。壁一面が黒板になっている。

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そしてアーティストはこちらの方。

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そう、来場者が自由に参加でき、その変化していく様が作品そのものなのだ。参加型アートと言うよりは、公開制作に感覚が近い。何年か前、ポンピドゥーセンターにて。( 過去の関連記事

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2017年9月 1日 (金)

素描

ダビンチ、表記はダ・ヴィンチが正しいようだが( 過去の関連記事 )、とミケランジェロの二人の企画展が今、都内で行われていて、珍しく素描が何枚か来ているというので見てきた。

ちなみに先日紹介したミケランジェロの彫刻( 過去の関連記事 )は、同じ展示会のものだ。

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決して大きくはないそれら素描に近づいて見ると、超極細の線で描かれているのがわかるが、これは鉛筆ではなく Silverpoint (銀筆)という金属ペンのようなもので、金属粉が付着しやすいように特殊加工を施した紙に描いていたそうだ。褐色なのは経年変化によるもので、元々は金属の色、すなはちこの場合は銀色だ。ハイライト部分にチョークを使うところは今とあまり変わっていないけれど、描いた線そのものは簡単に消しゴムのようなものでは消せなかっただろう。

しかし当たり前だけど、二人とも恐ろしくスケッチが上手い。この二人の天才が同時期にイタリアで活躍していたというのも、本当に奇跡だと思う。

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2017年8月28日 (月)

ミケランジェロ

ミケランジェロの彫刻は、そのほとんどがローマかフィレンツェへ行かなければ見れないけれど、今年の夏めずらしく日本に来ていることはあまり知られていない。しかも至近距離で360度のアングルから鑑賞でき、写真も撮れるという貴重な機会だ。

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この作品はローマの教会に納めるはずだったのが、製作途中で大理石の模様がよりによって顔に豊齢線がごとく出現してしまって、モチベーションを失い未完成のまま放置されたものだという。結局教会には別の像を作り直して納品したので、今でも行けば見れるはずだけど、それはポーズが異なり両手で十字架を支えていて、写真で見る限り迫力に乏しく、未完成ながらもこちらのほうが力強く魅力的に感じた。

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若い頃にローマまで見に行ったことがあるけれど、彼の作品で角の生えた筋骨隆々のモーゼ像があって、これはそれとほぼ同じ頃の作品だそうだ。

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見よ、未完成ながら、この背中の迫力。実は彼のドローイングにも背中の描写が多いのだが、それは単に背中フェチだっただけではなく、人の内面を表現する上で重要だと考えていたに違いない。

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得意の筋肉表現はもちろん、強い意志と深い悲しみの交錯する複雑な表情までを、大理石を刻んで表現するという奇跡。まさに天才彫刻家だ。いやあ、いいものを見せてもらいました。

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