2018年7月16日 (月)

木漏れ日

今年、隈研吾( もうひとつのブログから )による小さなパビリオンが欧州でいくつか作られるようで、そのコンセプトの模型がいくつか展示会に並んでいた。こちらはフランスはプロバンスにできるという、その名も Komorebi(木漏れ日) はシェルター状で、南仏の強い日差しによってできる影を木陰に見立てようというコンセプト。

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上から見ると、こんな感じ。意外とモダンなコンポジションだ。

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一方、イタリアにできるという Kodama(木霊) は、ジャングルジムのような樹を模した球状のデザイン。もしかすると木霊ではなく木玉?

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組木はまるでパズルのような構造になっている。釘や接着剤を使っていないのかもしれないが、組む順序を間違えたりするとやり直しになったりするのだろうか。

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2018年5月16日 (水)

石の船

ロンドンのV&AでおなじみのVictoria and Albert Museum( 過去の関連記事 )の分館が、スコットランドに計画されている。しかもそれは V&A Dundee Museum of Design というデザインミュージアムで、設計は隈研吾 ( もうひとつのブログから )だ。

ミュージアムの分館というのは、欧州ではブームなのだろうか。ルーブルはSANAAによるランス分館( 過去の関連記事 )に引き続き、昨年ジャン・ヌーベル( 過去の関連記事 )によるアブダビ分館ができた。ポンピドゥー( 過去の関連記事 )の分館は坂茂だし、テートの分館( 過去の関連記事 )はヘルツォーク&ド・ムーロンだ。

さてこのミュージアム、都内で隈研吾の建築展をやっていて、そこで迫力ある大きなスケールの模型が展示してあった。ストストーンパネルを水平に積み重ねるというファサードが、あたかも岸壁をデジタルに抽象化したかのような印象だった。あるいは、このミュージアムがウォーターフロントに建てられることから、巨大な船をイメージしたのかもしれない。

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その一部は派手に裂けていて、外へとつながる動線となっている。このディテール以外は、外から見るとあたかも水辺に浮かぶ要塞のように見えるかもしれない。今年9月に開館とのことなので見に行きたい気もするが、島国UKとは言えスコットランドは遠すぎる。。。

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2018年1月10日 (水)

キラキラ

派手な建築が立ち並ぶ銀座の一角に、ファサードがひときわキラキラなビルがあるのだけれど、これはパリに本店がある Van Cleef & Arpels という超高級ジュエリーの店。そして、そのデザインを担当したのが、同じくパリの Jouin Manku という、建築家のジュアンとデザイナーのマンクによる事務所で、ブティックやホテル、レストランなど商業建築を中心に作品を手掛けているそうだ。網目のフレームに対して、サイズが異なるクリスタル状のタイルがランダムに嵌合されていて、そのうちいくつかにはLEDライトが仕組んである。さすがに店内に入る勇気はなかったけれど、やはりキラキラでゴージャスなのだろう。Dsc00314_r

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2017年11月29日 (水)

空間構成

隙の無い空間構成は、コルビュジェの真骨頂。こちらはロシェ邸( 過去の関連記事 )で見たディテイルだけど、シンプルがゆえにバランスに妥協を許さない感じがひしひしと伝わる。結果、部屋のどこから何を見ても均整がとれていて、美しい。

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それはサヴォア邸のディテイルも同じで( 過去の関連記事 )、壁の彩色や採光という一段高まった表現レベルも武器につけながら、質の高い空間構成を実現している。

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備え付けた家具もまた超シンプルで、空間を乱さない。コルビュジェの作品に接する度にいつも感じるのだけど、90年近く前の建築とは全く思えない。

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2017年11月10日 (金)

難民

ここ数年で、中東から数百万人もの難民が欧州に押し寄せる事態になってしまった。しかもあっという間に。その対応の違いからEU各国の溝を深めてしまっていることは報道にあるとおりだ。

そして、地中海を決死の覚悟で渡ってきた難民たちが実際に身に着けていたライフジャケットを素材としたインスタレーションが、横浜美術館のファサードを覆っていた。これは中国の、今では社会派アーティストと呼んでもいいだろう Ai Weiwei によるもの。

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これを身に着けた人は家も財産を失い、場合によっては家族をも失い、決死の渡航に高額の報酬をブローカーに搾取され、命かながら逃げて欧州にたどり着いている。それぞれ今、どこでどんな生活をしているのだろうか。

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そこで使われたゴムボートも、丹下建築のファサードに容赦なく並んでいる。その後ろにそびえ立つ墓石とも揶揄されたランドマークタワーの無機質なデザインと、この命のシンボルとなった赤いゴムボートとのアイロニカルなコントラストも、アイウエィウエィの狙ったところなのだろうか。

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2017年4月19日 (水)

ミュージアム巡り191 ダイナミック

久しぶりのミュージアム巡りはアメリカ編になってしまうが、サンフランシスコの SF MOMA というミュージアム。NYのMoMAとは関係が無い。この建築のオリジナルは巨匠マリオボッタで、マリオベリーニ( 過去の関連記事 )同様に私にはバブル期のポストモダンの空気を感じてしまう。90年代にオープンしたての頃に何度か来たので、当時の時代感が強烈に染みついているからなのだろうけれど。彼は、マリオという名前からも建築の作風からも勝手にイタリア人だと思い込んでいたのだが、調べてみるとスイス人でイタリア国境近くの出身だそうだ。

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サンフランシスコのダウンタウンの、しかも混みいった地区に立つこの美術館は、なかなか全体像を俯瞰することが難しい。唯一、同時期に作られた隣接する公園から正面を見通せるようになっている。その特徴になっているストライプ模様で円筒形になっている部分は、ちょうどエントランスホールの吹き抜けになっていて、そこから見上げるとこんな感じだ。

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そこにぶら下がっているのは、アメリカの現代彫刻家カルダーの巨大なモビール。やはり彼のダイナミックな作品は、こういった大きな空間にこそ似合う。( 過去の関連記事

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この美術館は昨年、建物の奥にあたる部分を増築している。北欧の建築設計事務所 Snøhetta (スノヘッタと読む)による、ちょっと変わったファサードだ。

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うねってる、というかシワがよっている感じ。これは図面化は不可能で、3Dデータなしでは実現できなかっただろう。マリオボッタの本館が構築的な印象なのに対して、こちらは流れるようなダイナミックさをアンチテーゼとしたのかもしれない。

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その新館部分の裏口にあたるロビーにあった巨大な鉄板彫刻は、Richard Serra というアメリカのアーティストの作品だ。これもダイナミックに渦巻いているのは、やはりコンセプトに従ったのだろうか。

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2017年3月27日 (月)

グラマン

ユナイテッド航空がらみでもうひとつ。シカゴのオヘア空港はユナイテッドのハブ空港で、ターミナルは独特の機能感あふれるスタイルとなっている。

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まるで機械や飛行機の構造体のような鉄骨むき出しの建築で、80年代のトレンドというか当時の意気込みのようなもの感じる。実は自分が初めて降り立った海外の空港がここで、NYへ向かう国内線はまさにこのターミナルだった。当時は完成したてで話題になっていたことを思い出す。

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この空港は二次大戦で活躍した O'Hare という英雄パイロットの名前にちなんだそうで、彼が乗っていたものと同型のグラマンの艦載機ワイルドキャットが空港の一画に展示してあった。昨年行ったスミソニアン博物館にも展示してあったものだ( 過去の関連記事 )。そこではユナイテッドのパイロットとおぼしき人がひとり、その解説を読んでいた。

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そしてグラマンと言えば、意外にも消防車や商用トラックなんかもつくっている。たまたまサンフランシスコ市内で見かけたこのUPSのトラックも、やはりグラマン製だ。いったい、いつのデザインなんだろうか、これは。

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2017年2月13日 (月)

バブルなポストモダン

バブルの頃に建った横浜のオフィスビルの前庭に、謎のモニュメントのような建築物があって、ベリーニの丘と呼ばれている。そう、かのマリオ・ベリーニ( 過去の関連記事 )による設計だ。この色がまた周囲の環境を無視したポストモダンでイタリアンなテイストで、今の時代に見るとどうしてもバブル期の祭りの後に感じてしまう。

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それでもさすがにベリーニ、フォトジェニックでどうにもカッコいいったらありゃしない。当時、ここで多くのドラマの撮影が行われたというのもうなずける。

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内側の回廊のような空間もまたこれがカッコいい。機能的にはよくわからないようなスペースだけど。

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2017年1月20日 (金)

マッカートニー

マッカートニーと言えばポール?それともステラ?世代によって答えが違うのだろう。いずれにせよアート領域の家系に違いない。確かポールのお父さんはリバプールでミュージシャンだったはずだし、奥さん(ステラのお母さん)のリンダはもともとカメラマンで、WINGS時代にはボーカルもしていた。なつかしい。

さて、こちらの建築は青山の Stella McCartney ステラ・マッカートニーの旗艦店。最近、彼女はメンズにもチャレンジして話題になっている。この編み込んだような半立体パターンのファサードは、青山のユニークな建築群の中にあっても見劣らない個性を放っているけれど、実は日本の伝統模様である組亀甲をアルミダイキャストでつくったもの。素材はちがうけれども、代官山の蔦屋書店を想起させる( もうひとつのブログから )。

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2016年12月14日 (水)

リバティベル

自由の象徴、Liberty Bell リバティベル。そう、1776年にアメリカの独立宣言が読み上げられた時に鳴らされた鐘だ。フィラデルフィア( 過去の関連記事 )の州議会跡地に立つ記念館に、半ば国宝的な扱いで展示されていた。

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このクラックと修復痕の痛々しい鐘は、実はロンドン製。やはり品質に問題があったのだろうか。ドイツ製にしておけばよかったのに。( 過去の関連記事

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現在、隣にある旧州議会の鐘楼に吊るされているものは、今のエリザベス女王が何十年か前に訪問した時にお土産として贈呈した、ロンドンの同じメーカーによる鐘だそうだ。遠くて見えないけれど、きっとオリジナルと同じ形にちがいない。

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