2017年4月19日 (水)

ミュージアム巡り191 ダイナミック

久しぶりのミュージアム巡りはアメリカ編になってしまうが、サンフランシスコの SF MOMA というミュージアム。NYのMoMAとは関係が無い。この建築のオリジナルは巨匠マリオボッタで、マリオベリーニ( 過去の関連記事 )同様に私にはバブル期のポストモダンの空気を感じてしまう。90年代にオープンしたての頃に何度か来たので、当時の時代感が強烈に染みついているからなのだろうけれど。彼は、マリオという名前からも建築の作風からも勝手にイタリア人だと思い込んでいたのだが、調べてみるとスイス人でイタリア国境近くの出身だそうだ。

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サンフランシスコのダウンタウンの、しかも混みいった地区に立つこの美術館は、なかなか全体像を俯瞰することが難しい。唯一、同時期に作られた隣接する公園から正面を見通せるようになっている。その特徴になっているストライプ模様で円筒形になっている部分は、ちょうどエントランスホールの吹き抜けになっていて、そこから見上げるとこんな感じだ。

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そこにぶら下がっているのは、アメリカの現代彫刻家カルダーの巨大なモビール。やはり彼のダイナミックな作品は、こういった大きな空間にこそ似合う。( 過去の関連記事

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この美術館は昨年、建物の奥にあたる部分を増築している。北欧の建築設計事務所 Snøhetta (スノヘッタと読む)による、ちょっと変わったファサードだ。

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うねってる、というかシワがよっている感じ。これは図面化は不可能で、3Dデータなしでは実現できなかっただろう。マリオボッタの本館が構築的な印象なのに対して、こちらは流れるようなダイナミックさをアンチテーゼとしたのかもしれない。

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その新館部分の裏口にあたるロビーにあった巨大な鉄板彫刻は、Richard Serra というアメリカのアーティストの作品だ。これもダイナミックに渦巻いているのは、やはりコンセプトに従ったのだろうか。

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2017年3月27日 (月)

グラマン

ユナイテッド航空がらみでもうひとつ。シカゴのオヘア空港はユナイテッドのハブ空港で、ターミナルは独特の機能感あふれるスタイルとなっている。

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まるで機械や飛行機の構造体のような鉄骨むき出しの建築で、80年代のトレンドというか当時の意気込みのようなもの感じる。実は自分が初めて降り立った海外の空港がここで、NYへ向かう国内線はまさにこのターミナルだった。当時は完成したてで話題になっていたことを思い出す。

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この空港は二次大戦で活躍した O'Hare という英雄パイロットの名前にちなんだそうで、彼が乗っていたものと同型のグラマンの艦載機ワイルドキャットが空港の一画に展示してあった。昨年行ったスミソニアン博物館にも展示してあったものだ( 過去の関連記事 )。そこではユナイテッドのパイロットとおぼしき人がひとり、その解説を読んでいた。

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そしてグラマンと言えば、意外にも消防車や商用トラックなんかもつくっている。たまたまサンフランシスコ市内で見かけたこのUPSのトラックも、やはりグラマン製だ。いったい、いつのデザインなんだろうか、これは。

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2017年2月13日 (月)

バブルなポストモダン

バブルの頃に建った横浜のオフィスビルの前庭に、謎のモニュメントのような建築物があって、ベリーニの丘と呼ばれている。そう、かのマリオ・ベリーニ( 過去の関連記事 )による設計だ。この色がまた周囲の環境を無視したポストモダンでイタリアンなテイストで、今の時代に見るとどうしてもバブル期の祭りの後に感じてしまう。

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それでもさすがにベリーニ、フォトジェニックでどうにもカッコいいったらありゃしない。当時、ここで多くのドラマの撮影が行われたというのもうなずける。

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内側の回廊のような空間もまたこれがカッコいい。機能的にはよくわからないようなスペースだけど。

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2017年1月20日 (金)

マッカートニー

マッカートニーと言えばポール?それともステラ?世代によって答えが違うのだろう。いずれにせよアート領域の家系に違いない。確かポールのお父さんはリバプールでミュージシャンだったはずだし、奥さん(ステラのお母さん)のリンダはもともとカメラマンで、WINGS時代にはボーカルもしていた。なつかしい。

さて、こちらの建築は青山の Stella McCartney ステラ・マッカートニーの旗艦店。最近、彼女はメンズにもチャレンジして話題になっている。この編み込んだような半立体パターンのファサードは、青山のユニークな建築群の中にあっても見劣らない個性を放っているけれど、実は日本の伝統模様である組亀甲をアルミダイキャストでつくったもの。素材はちがうけれども、代官山の蔦屋書店を想起させる( もうひとつのブログから )。

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2016年12月14日 (水)

リバティベル

自由の象徴、Liberty Bell リバティベル。そう、1776年にアメリカの独立宣言が読み上げられた時に鳴らされた鐘だ。フィラデルフィア( 過去の関連記事 )の州議会跡地に立つ記念館に、半ば国宝的な扱いで展示されていた。

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このクラックと修復痕の痛々しい鐘は、実はロンドン製。やはり品質に問題があったのだろうか。ドイツ製にしておけばよかったのに。( 過去の関連記事

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現在、隣にある旧州議会の鐘楼に吊るされているものは、今のエリザベス女王が何十年か前に訪問した時にお土産として贈呈した、ロンドンの同じメーカーによる鐘だそうだ。遠くて見えないけれど、きっとオリジナルと同じ形にちがいない。

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2016年12月 5日 (月)

コンクリートの街

昨年訪れた北フランスの Le Havre ルアーブル という港町はモネ( 過去の関連記事 )の故郷で、彼が「印象、日の出」を描いた港をはじめとして、ピサロやブーダンなど多くの画家たちを魅了した美しい街だったのだろう。しかし二次大戦の爆撃で壊滅した後に、オーギュスト・ペレという建築家を起用した都市計画で復興した街が今の姿だ。ほぼ全ての建物がコンクリート造りで、かつての面影は全く失われている。それでもなぜか世界遺産に指定されているそうだけれど。写真は中心部に立つ議会で、ご覧の通り、なかなかブルータルな感じだった。

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個人的には、近くのセーヌ川の幅広い河口にかかるノルマンディー橋が、なかなかエレガントでおフランスな感じで素敵に感じた。対岸の、こちらは田舎すぎて爆撃を免れたオンフルール( 過去の関連記事 )に通じている大きな長い吊り橋だ。有料だったけど。

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2016年11月30日 (水)

ゴッホ終焉の地

ゴッホ終焉の地、オーヴェール=シュル=オワーズ Auvers-sur-Oise を訪れたことがある。彼が南仏のサンレミでの療養生活過去の関連記事を終えて移り住んだ、パリにほど近いヴェクサンの森にある、小さく静かで、そして美しい街だ。

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ゴッホがオーヴェールで住んでいた部屋はレストランの屋根裏にあり、ガイドツアーで見学できるようになっていた。天窓だけの狭くて暗いその部屋は、まさに彼が息を引き取った場所でもある。

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彼がこの街で描いた教会( Wikipediaへリンク )も近くにあった。絵の印象よりはるかに大きく、そしてもちろん、まっすぐに感じた。絵の中で教会の傍に描かれた女性はオランダの民族衣装を着ているが、これは思い出や幻想といったイメージを現実の風景に織り込んで描いたゴーギャンの影響にちがいない( 過去の関連記事 )。

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そして自ら銃で胸を撃ったとされる場所もこの近くにあって、そこにある墓地で弟のテオと共に静かに眠っていた。ああ、切ない。

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2016年10月24日 (月)

ブルータルな階段

ただの階段なのだけど、派手な色を塗るだけでその機能が際立って見えて面白い( 過去の関連記事 )。これはロンドンのサウスバンクにあるブルータリズム建築群の、その一画で見かけたもの。( 過去の関連記事

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この黄色い階段も同じ場所にあったもの。ちなみに下に置いてあるのは醤油とソース、ではなくゴミ箱。

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2016年9月21日 (水)

ミュージアム巡り188(US編) ジョージタウン

ワシントンDCのジョージタウンと言えば、多くの政治家を輩出してきた同名の大学で有名。初代大統領が就任した年に設立、だそうなので歴史のある大学だ。街は小さいけれど、ボストンに少し似た印象の、歴史と味わいを感じる素敵な街並みだった。

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その中でも、ひときわ古いこの歴史的建造物は Old Stone House と呼ばれる民家で、今では整備され見学できるようになっている。

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もともとは18世紀の職人の家だったそうで、石造りで質実剛健な印象だ。

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中の部屋は、当時の生活が再現されていた。古き良き時代のアメリカ、そんな感じ。掲示してある解説によると奥に見える大きな時計は、一時期この家の通りに面した部屋を借りて時計屋をしていた人が作って置いていたという、まさにこの場所オリジナルのものだそうだ。

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家具も年代物に違いない。独特の風格を感じる。

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展示されている家具や古道具は、ほぼ全て地元の人たちからの寄付だそうだ。どれも味わいがあって素敵だった。

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2016年9月12日 (月)

ミュージアム巡り187(US編) 赤レンガ

ワシントンDCには、スミソニアン系列以外にも様々なミュージアムがある。US編のレポートがなかなか終われない。この赤レンガ ( 過去の関連記事 )の大きな建物は100年以上前の官公庁で、今では National building museum という、小規模な建築系の企画展を細々とやっているような感じの博物館だ。

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外観のアクセントになっているベージュのレリーフは、近くに寄るとテラコッタの塑像であることがわかる。どうやら南北戦争を題材にしているようだ。

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建物の中にいても、この赤レンガの存在を強く認識させられる。例えば、この暖炉。あまりこういう感じのものは見たことが無い。

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この建物内部のほとんどが大きな吹き抜けの空間になっていて、大統領就任式の一環のダンスパーティーなんかも行われるそうだ。そしてその中央部には、そびえ立つ巨大な大理石の柱が?と思いきや、これもレンガを積層したもので、大理石調の模様を施したものだそうだ。確かに継ぎ目が全くないので、よく見ると不自然な感じだ。( 過去の関連記事

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