2018年8月17日 (金)

逸話という価値

浅草から隅田川の対岸を見た風景は、個性を競う建築ばかりの支離滅裂感がどこかアジアっぽく感じる(まあアジアだけど)。今となっては上海か深センあたりの風景と変わらない、なんて言ったら中国に失礼だ、逆に見劣りするほどになった。

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右下に見えているのはバブルの象徴、スタルクのデザインしたアサヒビール本社のオブジェだ。最近のクリーンアップによって本来の輝きを取り戻している。

昔から「金のウン〇」とヤユされているが、自分は同じウンでもどちらかというと孫悟空が乗ってるようなキント雲を昔から想起する。でも実はクライアント企業の情熱を表す flamme d'or すなはち炎とのことだけどね。建築的にこれをつくるのは当時の技術では困難だったのを、造船会社に頼み込んで作ってもらった、という逸話を覚えている。

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今でこそシンプルなデザインが多いスタルクだけど( 過去の関連記事 )、当時はポストモダンの旗手とも言える存在で、尖がったアートっぽい作品を量産し続けていた。下の写真のレモン絞りも、同時期の彼の代表作。こちらは彼がバカンスで滞在していたリゾートで、食事中にレモンを絞っていて閃いて、紙ナプキンにスケッチを描いてALESSIに送ったという逸話がある。彼の作品は逸話が価値でもある、ということか。

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2018年7月 2日 (月)

Sisi

オーストリアつながりで、こちらは Demmers デンメア という紅茶。そのパッケージは、地元アイドル Sisi ことエリザベートの肖像画だ。彼女はミュンヘンでバイエルン王国の娘として生まれ、隣国オーストリアに嫁いで皇后となった。ウィーンでは見られないであろうエーデルワイス( 過去の関連記事 )の髪飾りに、彼女の故郷愛を感じる。もちろんダイヤか何かなんだろうけどね。

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2018年6月27日 (水)

チロル

この写真のジャムは、オーストリアのチロル産。ダルボというブランドで、南ドイツでは普通にスーパーに並んでいたのだけど、昨今では日本でもたまに売っていたりするので不思議な感じがする。ウィーンの有名なお菓子、ザッハトルテに使われているジャムも、このダルボ社製とのことだ。

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ナチュラルな素材を謳うだけあって、パッケージに描かれている絵もナチュラルなテイスト。写実的で、あたかも昔の植物図鑑の図版のようだ。

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このダルボ社、調べてみるとインスブルック( 過去の関連記事 )近くにあるシュタンスという街にあるそうだ。地図を見ると、ミュンヘンからインスブルックに向かうイン川沿いの道の途中にあるので、何度も通過していたことになる。

この地域は美しいチロルの山々が連なっていて、冬以外はとても良いところだ。山間には写真のような美しい村々が点在していて( 過去の関連記事 )、このパッケージを見ていると、そんな風景がよみがえってくる。

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2018年6月18日 (月)

硬派

この渋いパッケージに書かれている Kaweco というブランドは、日本ではあまり知られていないけれど知る人そ知るドイツの筆記具メーカーで、カヴェコと読む。前に紹介した LAMY( 過去の関連記事 ) と同じハイデルベルグ創業とのことだけど、モダンな LAMY と異なってクラッシックなイメージを残している。ここは是非、硬派のまま突っ走って頂きたいところだ。

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2018年5月21日 (月)

バラ

L'epicurien (レピキュリアン、かな) という南仏ブランドのバラジャム、というかバラの花びらの入ったゼリーのようなもの。バラの季節にどうでしょうということで( 過去の関連記事 )。それにしても、おフランス。まあ色々とおしゃれなものを考えるものだ。そう言えば南仏じゃないけれど、プロヴァンという街ではバラの蜂蜜を買ったことがあったっけ( 過去の関連記事 )。

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2018年5月 7日 (月)

エスプレッソマシン

エスプレッソ、と言えばイタリア。そしてイタリアの家電、と言えばデロンギ。ということで、デロンギ社のエスプレッソマシンがこちら。デザインは素っ気ないというか、マシンに徹しているのだけど、ドイツ家電とはまた異なるセンスを感じる。日本でデロンギと言えば、なぜかオイルヒーターが有名だけど、これからはコレになるのかな?

そして創業者の名前なのだろうか、De'Longhi というスペルがまたイタリアっぽくて、Lamborghini みたいでカッコいい。全然ちがうけど。

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2018年4月23日 (月)

デルフトの小瓶

東インド会社ついでにもうひとつ。10年以上前に買ったアンティークのデルフトを思い出して、探して出してみた。高さが6~7センチの超小瓶なので、一輪挿しにもなりえない。おそらくは鑑賞用か、昔のお土産用だったに違いない。( 過去の関連記事

しかしその大きさにもかかわらず、絵柄の表現がとても豊かで、線も生き生きしているところが気になったポイントだった。

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実はデルフトにも行ったことがあるのだけど、これはアムステルダム( 過去の関連記事 )の、記憶では運河沿いの薄暗い店で買ったものだ。年代など詳しいことはわからないが、底には奇妙なサインがある。何かの呪文、あるいは漢字のようにも見える。

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ちなみに、その後アムステルダムを訪れた際に、おしゃれなショップで買ったデルフトのカップはこんな感じ。同じ手描きでも、大雑把。まあ、そこがデザインというか、伝統のモダンな解釈なのだろうけれども。

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2018年4月18日 (水)

コンプラ

東京農大の博物館(隈研吾の建築だった)で見つけた、カッコいい陶器のボトル。英語ブログ( Nippon Style Note )に載せようかと迷ったのだけど、こちらで紹介してみることにした。

書き慣れていないアルファベットで Japansch Zaky 「日本の酒」と染付されているこの白磁は、実は江戸期に出島から東インド会社を介して欧州に輸出された日本酒のボトルだ。

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CPDと書かれているのが気になって調べてみると、ポルトガル語で仲買を意味する comprador を示しているそうだ。それが転じて金富良(こんぷら)と呼ぶ輸出組合が出島内にできて対応していたことから、この瓶はコンプラ瓶と呼ばれるらしい。たまにオークションで高値で出回っているけれど、確かにこれは欲しいよね。

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2018年4月 4日 (水)

色のチカラ

ショールームで見かけた北欧、たぶんフィンランド製、のラグマットがとてもキレイで、これからの季節にぴったりの爽やかさだった。一目見てぱっと気分が華やぐ感じがして、本当に色のチカラというかデザインのポテンシャルってすごいと思わせる( 過去の関連記事 )。よく見るとブルーの彩度が高いだけだけど、程よく全体を支配しているのがわかる。色のチカラを借りて、気分を上げて、さあ新年度!

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2018年3月21日 (水)

アルザス

フランスのアルザス地方の記事は何度か書いたが( 過去の関連記事 )、こちらの写真はアルザス出身の Hansi (と書いてアンジと読む)という絵本作家のイラストのクッキー缶。イラストの原画は20世紀初頭なのだろうか、少しアールヌーボーの流行の名残りのようなものを感じる。そこに描かれているのは当地の民族衣装で、特に女の子の巨大なリボンが特徴的だ。ドイツに近いわりには南欧的でもあり、どこか東欧っぽくもある、ちょっとミステリアスな雰囲気だ。はたして今でも、この文化はアルザスに残っているのだろうか。

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そして缶の側面には幸福のシンボル、コウノトリのイラストが。地域によっては自分の家に営巣を誘致するために屋根に台を据えることもあるそうで、ストラスブールでは市の鳥として愛されていた。ちなみに絶滅危惧種である日本のコウノトリは、調べてみると種類が異なっているようで、欧州のものと比べて体も大ぶりで、くちばしが黒く、昔から鶴と間違えられてきたそうだ。

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