2018年4月18日 (水)

コンプラ

東京農大の博物館(隈研吾の建築だった)で見つけた、カッコいい陶器のボトル。英語ブログ( Nippon Style Note )に載せようかと迷ったのだけど、こちらで紹介してみることにした。

書き慣れていないアルファベットで Japansch Zaky 「日本の酒」と染付されているこの白磁は、実は江戸期に出島から東インド会社を介して欧州に輸出された日本酒のボトルだ。

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CPDと書かれているのが気になって調べてみると、ポルトガル語で仲買を意味する comprador を示しているそうだ。それが転じて金富良(こんぷら)と呼ぶ輸出組合が出島内にできて対応していたことから、この瓶はコンプラ瓶と呼ばれるらしい。たまにオークションで高値で出回っているけれど、確かにこれは欲しいよね。

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2018年3月21日 (水)

アルザス

フランスのアルザス地方の記事は何度か書いたが( 過去の関連記事 )、こちらの写真はアルザス出身の Hansi (と書いてアンジと読む)という絵本作家のイラストのクッキー缶。イラストの原画は20世紀初頭なのだろうか、少しアールヌーボーの流行の名残りのようなものを感じる。そこに描かれているのは当地の民族衣装で、特に女の子の巨大なリボンが特徴的だ。ドイツに近いわりには南欧的でもあり、どこか東欧っぽくもある、ちょっとミステリアスな雰囲気だ。はたして今でも、この文化はアルザスに残っているのだろうか。

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そして缶の側面には幸福のシンボル、コウノトリのイラストが。地域によっては自分の家に営巣を誘致するために屋根に台を据えることもあるそうで、ストラスブールでは市の鳥として愛されていた。ちなみに絶滅危惧種である日本のコウノトリは、調べてみると種類が異なっているようで、欧州のものと比べて体も大ぶりで、くちばしが黒く、昔から鶴と間違えられてきたそうだ。

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2018年3月 7日 (水)

羊の皮

紙のように筆記に使う羊の皮を羊皮紙(ようひし)と呼ぶけれど、Wikiによると正確には紙ではないそうだ。まあ、そりゃそうか。そして英語ではベラム vellum と言うけれど、デザイナーにはおなじみのベラム紙はベラムのように上質で堅牢な紙が由来であって、もちろん羊皮紙ではない。こういう素材は紙の材料が無い地域で発達したのか、あるいはそれ以上に羊が身近に大量にいたということなのか( 過去の関連記事 )。少なくとも日本の歴史には出てこないし、我々には馴染みがない。

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もともと羊皮紙は大切な書類や、聖書のような重要な書物に用いられることが多いのだけど、こちらの写真のものは楽譜。もしかすると、讃美歌のような尊いコンテンツの楽譜だったのかもしれない。レストランの壁面に無造作に飾られていたものだけど、保存状態が悪いせいか反りまくっていた。それでも数百年前の手書きの筆触は、今でも見る人の心を打つ何かを持っている。

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2017年12月22日 (金)

森の国のクリスマス

皆さん、撮りますよ~、こっち向いてくださ~い!っていう感じの彫刻。右下に幼きイエスキリストがいる。これはワシントン・ナショナルギャラリー( 過去の関連記事 )で見つけた、中世の南ドイツの木彫。

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ちなみに正面から見るとこんな感じ。みんなバラバラ、好き勝手なことをしている。もちろん教会の祭壇に置かれていたものだろうから宗教としての主題に基づいた創作なのだけど、加えて人間としての表現が実に豊かだと思いませんか?これにはルネッサンスを生んだ人間性を回帰しようという時代的背景と、ドイツの田舎町という地域的な背景、そしてそこの深い森が育んだ精神文化と工芸技術が重なって生まれたのだろう。( 過去の関連記事

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2017年10月27日 (金)

ハロウィン

10月31日はハロウィン。もともと古代ローマ時代のケルトの呪術的風習がベースになっていると聞く。秋の収穫を祝い、悪霊を退散させて一年を締めくくる。素敵じゃないですか。欧州では今でもひっそりとした風習として残っている反面、アメリカで大衆イベント化したのが、今の日本に入ってきていると推測される。

前は都内でもそんな騒ぎは無かったけれど、最近では商業的キャンペーンやイベントが異常に増殖してきて、さながらハロウィーン祭りの様相となっている。特にハロウィン当日に街中で仮装して気が狂ったかのように騒ぐ若造たちは、処罰の対象にしてもらいたいものだと心から願っている。何が彼らをそうさせるのか。もしかして悪霊?

さすがに騒ぐだけ騒いだ後のゴミの山をギルティに感じたのだろうか、後始末のアイディアをひねり出したようだ。カボチャが積んであるイメージから想起したのにちがいない。これはイイね。ゴミが無い方がもっといいけど。

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2017年10月 9日 (月)

大工道具

ドイツの伝統的な木組みを再現した展示が、神戸の竹中大工道具館にあった。この複雑な形状は、どうやら単なる装飾的な意味合いだけではないようだ。( 過去の関連記事

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それを作るための古い大工道具たちも、すぐ横に展示してあった。( もうひとつのブログから

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鉋(カンナ)はこんな感じ。中央のものは、ミュンヘンの蚤の市で入手したものと似ている。( 過去の関連記事

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昔の鋸(ノコギリ)は糸鋸(イトノコ)のような形だったようで、張力によるテンションによって刃の長さを確保しているようだ。

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こちらはロンドンだけど、地下鉄のCharing Cross駅にはその土地のストーリーが描かれていて、そこには似たスタイルの鋸が登場している。

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2017年7月31日 (月)

彼らは空からやってくる

これは一次大戦中の空襲に備える告知板。英国のもので、襲ってくる敵はドーバー海峡を越えてやってくるドイツ軍、しかも飛行船や複葉機という時代。こんな機影を覚えろって言われてもねえ、大変な時代だったんだなあ。( 過去の関連記事

その後の二次大戦では更に飛行機が進化して、ドイツ軍は英国に対する怒涛の無差別空爆 the Britz によって数万人の命と、ロンドン市内の3分の1の建物を破壊したと言われている。以前書いたバービカンセンター周辺も、爆撃で焼野原になった地域の再開発事業だった( 過去の関連記事 )。そう言えば、昨年のブラピ主演の映画 Allied (邦題はなぜか、マリアンヌ。。。)でも、そういった空襲下の街のシーンが出てきたっけ。最近は日本周辺でさえロケットの飛び交う情勢になりつつあるけれど、やっぱり平和が一番、暴力反対。

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2017年7月 7日 (金)

カモかも

フランスのアンティークマーケットで見かけたカモたち。かなりリアルで良くできているけれど、これらは狩猟用のデコイなのだろうか。よく見ると胸に紐を通すようになっている。カモはフランス料理としては重要な食材だから、飼育だけではなく狩猟も盛んにちがいないので、こういうデコイも多いのかもしれない。

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こちらもカモ。かなりマンガっぽいというか、オモチャっぽい出来だけど、これらは置物なのかな?

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そして広場の噴水に集うカモ、かと思いきや口から水が出る噴水そのものだった。かなり錆びているけれど、どのくらい古いものなのだろう。こちらは南仏にて。

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2017年7月 3日 (月)

ザル

フランスの博物館で見つけたアンティークのバスケット。欧米では、あまりこういう浅い形のものは見ないけれど( 過去の関連記事 )、一体何に使っていたのだろう。あるいは単に、パンや果物を載せるだけのものだったのかもしれない。

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このくらい浅いものは、日本ではザル(笊と書く)に相当するのだろう。籠がそうであるように笊もまた日本のバスケタリーの代表選手で( もうひとつのブログから )、そして共に漢字が示すように竹に依存していることが多いようだ。

下の写真の繊細なつくりのザルは、福井で発見した古道具。この底面が正方形というユニークなデザインは、何か特別な機能的要求から生まれたものなのか、あるいは天円地方の思想を反映したものか。道具の世界は実に奥が深い。

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2017年5月22日 (月)

リュトン

上野の東京国立博物館に展示してあった、中近東で発掘されたという紀元前の土器。造形的にも完成度が高いので驚きだ。持ち手が付いているけれど、コップだとしたらどうやって飲み物を入れて置くのだろう、もしかして酒を注がれたら置くことを許されないで飲み続けるしかないヤツ?と思って調べてみると、どうやらこれは儀式用の器で神聖な水(あるいは酒?)を入れるとヤギの口から流れ出るように穴が空いているとのこと。リュトンと呼ぶらしい。諸説あるそうなので興味のある方は調べてみては?( 過去の関連記事

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